いつだったか、本州の湖で釣りをしていたら、私の目の前にウグイが大量に泳いでいました。
あまりに魚が釣れていなかっので、「もうとりあえず、ウグイでも釣っておこうか」と思い、魚の目の前で小さなマラブーのフライを引っ張ってみました。
一発で釣れるだろうと思っていましたが、ウグイはあまり反応せず、反応してもチョンチョンとフライをつつくだけで、とても釣れそうにありません。
北海道の湖や川なら、生息している限りどこでも嫌というくらいウグイは簡単にルアーやフライで釣れるものですから、私はちょっと信じられませんでした。
そういえば、子供の頃釣りをしていた本州の川の中流域でも、ウグイはルアーでは釣れませんでした。
それから、古い本である西山徹さんの「湖沼のルアーフィッシング」を読み返してみますと、大河川の中下流のウグイやマルタが最もよくルアーを追い、河川上流部や湖のウグイは釣りにくいというようなことが書いてありました。
こうなってくると、場所によってはウグイの種類が違うということもありますが、河川や湖でもルアーやフライでガンガン釣れる北海道のウグイというものは、本州のウグイとは、ちょっと食性や貪欲さが違うのかもしれません。
北海道で「なんだウグイかぁ」なんて言って逃がすのも、それさえなかなか釣れない本州の状態からしたら、結構贅沢な話なのかもしれないなんて考えながら、見事にボウズで釣りを終えたのでした。
やはり、どんな魚でも釣れてくれるというのは、とてもありがたいことなのだと、身に染みて実感することができました。
今度からはウグイが釣れた時は、ちゃんと感謝をしてから逃がしたいと思います。