近頃、私は渓流にフライフィッシングに行くことがあります。
ちょっと前までは、「みみっちい釣りだな」と少しバカにしていたようなところがあったのですが、自分なりに工夫しながら複雑な川の流れと対峙するのは、やってみると思いのほか面白く、時がたつのを忘れて楽しんでいます。
そんな中で意外と若めの釣り人の姿を川で見かけることが多く、少し驚いているのですが、彼らのほとんどがテンカラ釣りだということには、さらに驚かされます。
自分より若いと思われるフライフィッシングをやる人は、未だに見たことはありませんが、テンカラをやっている20代前半くらいの若者というものは、結構見かけるのです。
このような釣り場の状況から考えてみると、フライフィッシングをやる人は減っているが、テンカラ釣りをする人は明らかに増えていると言えそうです。
確かに、日本の小さく早い流れの渓流で毛鉤で釣りをしようと思ったら、フライよりも昔から日本にあるテンカラの方が向いているでしょうし、効率が良いはずです。
これにテンカラ釣りが多少メディアで紹介されたのも重なり、若者達にはテンカラ釣りが人気なのでしょう。
最近の若者達は、効率良く楽しいものを求める傾向があると言われていますから、シンプルに毛鉤で渓流釣りが楽しめるテンカラ釣りは、その傾向に見事にハマったのかもしれません。
そういった若者達から見れば、わざわざリールを使い、投げるのが難しく、流すのも難しく、わけのわからないカタカナ言葉で細かいことを言い、おまけにろくに魚が釣れていなかったりもする、フライフィッシングというものは、ひどく無様で無駄なものに見えているかもしれません。
私は日頃から「無駄なものと危険なものほど面白いものはない」と思って生きていますから、渓流でフライをやるのも悪くはないと思っていますが、大半の若者達にはこんな考え方は理解してはもらえないでしょう。
釣りをしていても、若者にバカにされるような雰囲気がでてきたのですから、いよいよ自分もおっさんの仲間入りなのだなと、川に行く度に実感してしまう今日この頃です。