以前、テンカラ釣りの名人のような人が、毛鉤の出来・不出来や種類ではあまり釣果に差が出ることはなく、大切なのは毛鉤のサイズだと言っていました。
その人は、眼の研究が本業の人らしく、魚の目では細かい違いまでは見えていないと言うのです。
確かに、釣りをしていれば、この意見には納得できますね。
フライフィッシングをする人達は、「何の何番で釣れた」などと言うわけですが、ぶっちゃけ「何番」の方さえ合っていれば、なんだって釣れた可能性は高いと思います。
「そんなことはないんだ」と言い張る人もいるかもしれませんが、きっとそう言う人の横で違うフライで釣ってしまう人だって沢山居ると思いますよ。
魚が釣れなかったら、サイズを変えるだけでも、だいたいなんとかなってしまうでしょうし、後は自己満足の世界でしかないのが、小さな毛鉤を使った釣りの現実なのではないでしょうか。
ですから、どこまでパターンとかマテリアルに凝るかは、完全に個人の趣味だと思います。
自分が満足できるのなら、どんなにシンプルにしたって、凝りまくったって、どちらでも良いわけです。
本なんかにパターンが載っていると、そっくりそのまま作りたくなる人はいるかもしれませんが、そんなことをしなくたって釣れるわけですし、同じように巻きたければ巻けばよいし、巻かなくたって同じような大きさやフォルムの物を持っていれば、それだけでも充分なはずです。
魚が釣れるか釣れないかかは、マテリアルのちょっとした違いなんかでは決まらないのですし、釣れない人が釣れる人のフライを真似しただけでは、決して釣れるようにはならないのですから。