近頃はあまり出版されなくなりましたが、昔は釣りのポイント紹介の本が沢山発売されていたものです。
今回は、ああいったものは、今でも役に立つのかのか、少し考えてみたいと思います。
時の流れとともに、ポイントは変わり果てる。
釣り場の環境というものは、時の流れとともに変わってしまうものです。
ですから、古い本に載っている情報が、全く役に立たなくなることもあるでしょう。
例えば、私がパラパラと古い本を見ていたら、現在あるダムが載っていないなんてこともありました。
その本が出来た頃とでは、川はダムに沈んでしまったり、流れが分断されたりして、魚の生息環境は大きく変わっているはずで、本の情報は現在ではあまり役に立たないかもしれません。
ダムとまでは言わなくても、堰堤が出来ていたり、流出した土砂で埋まっていたり、直線化され川の流れが変わっていたりと、環境が変化している所は結構あるものです。
やはり、そういった場所では、古い本の情報は有用ではないでしょう。
また、湖などでは、魚が減ったり、小さくなっていることが少なくありません。
これは放流が行われなくなったり、ダム湖特有の水質の経年変化で魚が小型化したりすることがあるからです。
「昔は釣れたのに、今はさっぱり」というような場所が、湖(とくに人造湖)には、沢山ある気がします。
それから何よりも、本に載ったことにより、人が殺到してポイントが潰れてしまった可能性もあります。
本に載るような有名ポイントには、踏み跡どころか道が出来たり、釣り場に降りやすいように階段が作られたり、釣り易いように木が切られたりしているような所さえあります。
やはり、そういった場所は、魚も釣り尽くされ、かなり減っていることも多く、あまり良い結果は望めないかもしれません。
意外と今でも釣れる。
このようにして考えてみると、古い釣りのポイントの本に載っていたような場所は、もう全然ダメなのかもしれないと思えてきます。
ところが、実際に釣りをしてみると、20年以上前の本の情報でも、書いてある通りに釣れるなんてことも少なくないのです。
前述のように大きく環境が変わってしまったような所はダメですが、やはり昔からポイントだとされる場所は、それなりの理由があり、かなり良い場所なのでしょう。
そして、20年以上前に大量に人が押し掛けた場所は、あまり釣れなくなり、今はもう人気がなくなっていることもあります。
しかし、人気がなくなってから長い時間が経っていれば、場所自体は一級なのですから、少しずつ魚の量が回復してきている可能性もあります。
そのような場所に今行けば、結構良い釣りがでる可能性もあるのです。
インターネットの情報よりは信頼性が高い。
本に書いてあることは、執筆者や編集者がちゃんと調べて、それなり責任を持って書いたものです。
これは、誰でも無責任に情報を発信できる現在のインターネットの釣り場の情報よりも、ずっと信頼性が高いのではないでしょうか。
インターネットの情報には、かなりの確率で嘘が混ざっているかもしれません。
誰だって良く釣れる場所を、不特定多数の人間に教えたいとは思わないはずですから、当然のことでしょう。
それに比べれば、昔の本は、責任を持って真実が書かれていた可能性が高いです。
ですから、本に書いてあったポイントで実際に魚が釣れて、「本に書いてあった通りだなぁ」と関心してしまうようなことも多いのでしょう。
以上のように考えてみると、大きく環境の変わっていない場所なら、古いポイント本の情報は、意外と使えると言ってしまって良いかもしれません。
そしてそれは、インターネット上の情報よりは、信頼性は高いものと言えそうです。
古本屋でヨレヨレになっているポイント本を見つけたら、買っておいても損はないのかもしれませんね。