サンデーアングラーという、おそらく和製英語ではないかと思われる言葉があります。
日曜日が休みという一般的な会社等に勤めていて、基本的には日曜日しか釣りに行けないような境遇の人を指す言葉でしょう。
日本の釣り人全体のどの程度の割合が、このサンデーアングラーなのかは分かりませんが、それなりの数のサンデーアングラーがいることは間違いないはずです。
日曜日に釣りをすると…
さて、こういった人々が日曜日に釣りをすると、様々な困難が待ち受けているはずです。
まず、どう考えても一週間の中で日曜日が一番釣りをする人が多いはずですから、釣り場が混んでいること必至です。
お目当てのポイントに入れないなんてことは当たり前で、どうしても釣りたいポイントがあるなら、前日の夜中から出掛けて車中泊する必要があるかもしれません。
そして、釣りを始めてみて、どうもそのポイントがイマイチだったとしても、どこのポイントも人が入っているので、今度は移動もままなりません。
それから、それだけ釣り人が沢山押し掛けてくるのですから、魚に掛かるプレッシャーも一週間で一番高いはずです。
魚は警戒心の固まりとなり、なかなか釣れないかもしれません。
このようにして考えてみると、サンデーアングラーというものが、いかに不利なものであるか分かると思います。
正直、釣りをしてもストレスがたまることが多そうで、もう釣りをしない方が良い気もしてきます。
それでも、釣りを続けているのですから、サンデーアングラーの人々は、相当釣りが好きなのでしょう。
また、そういった中で、安定した釣果を上げる人は、相当釣りが上手な人なのだと思います。
日曜日の午後は意外と良いかも。
私は、サンデーアングラーとは真逆の釣り人で、よほどのことがない限り、土曜日と日曜日は釣りをしません。
土日に釣りをするのは、5年に1度あるかないかといったくらいです。
そのお陰で、いつでもだいたい満足のできる釣りができていると思うのですが、先日ちょっとした事情から日曜日に釣りをするという、珍しい機会がありました。
その日は、日曜日の午後から釣りをしたのですが、やはり釣り人は沢山いました。
川岸にはあちこちに釣り人が立っていますし、川沿いの道路には、ひっきりなしに釣り人の乗っているらしき車が行き交っています。
ところが、午後3時を過ぎた頃から、ほとんどの釣り人達は帰り始めました。
陽が傾く頃には、釣り場はさっきまでの状態が嘘のように静まりかえり、貸し切り状態になってしまいました。
こうなると、急に人の気配がなくなって魚もほっとしたのか、活発にボイルを繰り返すようになり、魚も釣れてしまいました。
「日曜日に魚を釣るなんて、何年ぶりだろう」と、私は夕陽に照らされ金色に輝く魚を眺めていましたが、このように日曜日でも幸運に恵まれたのには、ちょっとした理由があると思うのです。
まずは、この釣り場が都市圏とはかなり離れた釣り場であり、ほとんどの釣り人が家に帰るのには、何時間もかかる場所であったことが良かったのだと思います。
日曜日の間に家に帰るには、早めに帰る必要がある人が多く、そんな場所で昼間に魚が釣れなくなる時間があったりすると、「もう帰ろうか」と思って家に帰えってしまう人が多いのでしょう。
それから、大量に居た釣り人が、急に居なくなるというギャップも良かったのかもしれません。
やはり、釣り人の多い釣り場の魚は、人の気配に敏感ですし、沢山の釣り人が居れば騒がしい人も必ずいるものですし、朝からかなり魚にはプレッシャーがかかっていたのでしょう。
それが急に、シーンと静まりかえると、どうしたって魚は油断して本来の活発な姿を見せてしまうのではないでしょうか。
かくして、日曜日でも魚が釣れるという幸運に恵まれたのだと思います。
このように、条件によっては、日曜日の釣りが有効なこともあるのかもしれません。
これからは、私もたまには日曜日に釣りをしてみてもいいかもしれない、なんて思うわけですが、まあ、そう何度もうまくいく話ではないでしょうね。