本州には犀川など2月に解禁になる本流の釣り場があり、昔から解禁当初は大物がよく釣れるチャンスだなどと言われています。
しかし、私はこの見方には、近頃かなり懐疑的です。
まず、こういった川での釣りが人気になり始めた20年前あたりと比べると、環境の変化や釣り人の増加の影響で、以前ほど大物の数は多くないはずです。
ですから、いくら解禁直後とは言え、そもそもあまり良いサイズの魚は居ないと思います。
それから、2月といえば水中は完全に冬です。
低水温、低水位、クリアウォーターというトリプルパンチで、魚はやる気がゼロでしょうし、深い場所でじっとしているだけでしょう。
ダムのような深い場所に行っている魚が多いでしょうし、流れのあるポイントに入っている魚は少ないはずです。
水温の高い湧き水が流れ込んでいるから活性が高いなんて説もありますが、それでも魚の活性を下げるには充分過ぎる低水温でしょうし、まだ釣りのポイントにはあまり魚が居ないと考えるべきだと思います。
運良く釣りで届く範囲に入っている魚が居て、目の前を上手に流せれば釣れるのでしょうが、基本的には渋い状況に違いません。
こういった状況で魚を釣るには、ストンと沈めてしっかりボトムをトレースできて、しつこく何度も流せるエサ釣りが効果的であり、ルアーなんかの釣りはかなり不利でしょうね。
そんなわけで、解禁当初にルアーで釣るとなると、「運良く数少ない魚が入っている場所を当てられれば釣れる」といった程度なのだと思います。
これでは、大半の釣り人がヒドイ目に遭うだけでしょうし、寒い中わざわざ出かけていく価値はないかもしれません。
それでも、「寒いし釣れないし」という悲惨な目にあっても、川で釣りをすること自体が嬉しいと思う人はいるでしょうし、釣果に期待し過ぎないのだったらアリなのかもしれませんね。