先日、シマノ提供の釣り番組を見ていたら、ヴァンキッシュ(VANQUISH)というスピニングリールのCMが流れていました。
「またセンスの欠片もない、ギラギラした子供の玩具みたいなデザインのリールかぁ」
と、私は鼻で笑っていたのですが、ちょっとした衝撃も受けることにもなりました。
持ち方変じゃない?
ヴァンキッシュのCMには、ロッドを握っている手元がアップになるシーンがあったのですが、それがちょっと妙なのです。
なんとリールのフットを小指と薬指の間に挟みロッドを握っているのです。
これは、基本的なキャスト方法からすれば、完全に間違っています。
キャストする時には、リールの脚を中指と薬指の間に挟んでロッドを持つのは、基本中の基本のことです。
スピニングリールでキャストを覚える時には、一番始めに覚えることでしょう。
小指と薬指の間にフットを挟んで持つ方法は、通称「小指挟み」と名前がついているほど、代表的な間違ったリールの使い方です。
リールを売っているメーカーが、日本中で流れるCMで、堂々と間違ったリールの使い方を大写しにするなんて、ちょっと不味いんじゃないでしょうかね。
そう言った声が上がらないくらい、シマノという会社の宣伝部は、釣りを知らない人達がやっているのでしょうか。
CMでは、そのヘンテコで下手くそなロッドの持ち方の場面の他には、「とにかく軽い」とか「レーシングスペック」とかアングラーが語る場面があるのですが、リールを正しく使用できていない場面と同時に、そんな細かいことを言われても、説得力がゼロの気がします。
リールを正しく扱うこともできていないのに、軽いだ何だと細かな性能面を語る資格があるのでしょうか。
オートマの自動車を、右足でアクセル、左足でブレーキを踏み、誤った操作で運転している人が、「この車はここが良い」とか語っちゃっているのと、同じようなことだと思います。
ですから、もしヴァンキッシュのCMを見て、「このリール欲しいな」と思う人が居るのなら、それは自動車を誤った操作をしている人の説明を真に受けて、車を買ってしまうのと同じレベルだと思います。
釣り具メーカーの言うことが、全て説得力があるものだと思ったら大間違いだということを、ヴァンキッシュのCMはよく教えてくれていると思います。