ちょっと前に鱒の森という雑誌で「10年もののトラウトギア」という特集があったようでしたが、この題名は本当にふざけていると私は思います。
おそらくこのタイトルには、「10年使う=長く使う」というような意味があると思うのですが、その認識はとんでもない間違いでしょう。
釣りに使う道具で10年使えるというのは、とても長持ちとは言えないと思います。
ロッドだろうとリールだろうとネットだろうと、10年もたないのなら不良品レベルでしょう。
良い道具というものは、ちゃんと手入れしながら使えば、何十年でも使えるものです。
実際に私が使っているリールなんかでも、40年も50年も60年も前から使われていて、もう何人の人がそれを使って魚を釣ったのか分からないようなものがいくつもあります。
ですから、もしも長持ちして愛用できる道具という意味で特集を組むなら、「50年もののトラウトギア」とでもしないといけないはずです。
それをたった10年にしてしまうあたりに、釣り業界やそれに影響されがちな釣り人達の姿勢がよく表れていると思います。
「何だかんだと理由を付けて新しい物を売ったり買ったりして、道具を10年も使わない」。釣り業界や釣り人の大半は、そんな姿勢で釣りをしているのだと思います。
比較的古いものが好きそうなトラウトルアーの世界ですら、「10年」なんてバカなことを言っているのですから、他のジャンルの釣りではもっと道具を長く使わない風潮があるのかもしれません。
そのように次から次へと物を消費するような釣りをしたい人は、そうすれば良いと思いますが、そうするからには道具が長持ちだとか愛用しているだとか語る資格はないでしょうね。
最低でも、どんなものでも20年以上使うようではないと、長持ちだとか愛用しているとは言えないのではないでしょうか。
それが道具というものだと思います。