ブックオフ200円で買ってきたちょっと古い雑誌をめくっていたら、カーディナル軽量化カスタムパーツなる商品が紹介されていました。
カーディナル33のサイドプレートやネジなどの部品で、これに換装するとリールの重さが20グラム軽くなるらしいです。
「20グラム軽くなったからって何なんだろうか。そもそも軽いリールが使いたいなら、オールドリールなんて使わなければいいのに」とは思いましたが、「まあ、どうしてもリールを軽くしたい人には必要な物なのかもしれない」と無理矢理納得して、さらに読み進めていくと、もうどうしても納得できないことが書いてありました。
なんでも、このパーツを使えば、「飛距離が伸びて、ピンスポットが狙いやすくなる」らしいのです。
リールがたった20グラム軽くなっただけで、飛距離が伸びるなんてことがあるのでしょうか。
手や腕が痛くなるほど重いタックルでリールが500グラム軽くなるとかだったら、ちょっとはキャストする時のロッドの振り方が変わり、飛距離が伸びる可能性もあるかもしれませんが、カーディナル33なんかの小型リールが20グラム軽くなるだけでは、何らかの変化があるとは思えません。
「リールが20グラム軽くなるなる=飛距離が伸びる」という原理が、私には全く分からないのです。
ラインの巻き形状が変わるパーツとかだったら、放出性能が変わり飛距離が伸びることもあるでしょうが、軽量化パーツで飛距離が伸びるとは意味不明です。
こういった物を売る人達は、それでも何かともっともらしい理由を付けてくるかもしれませんが、そんなものは良く考えてみれば理由にもなっていないような、論理的ではないものだと思います。
こういったものを見ていると、「トラウトルアーの世界のインチキ臭さの原因は、まさにこういうところだぞ」と思ってしまいます。
トラウトのルアーフィッシングの世界には、カスタムパーツやハンドメイド品を、やたらと有り難がるようなところがありますが、その有り難がる理由がめちゃくちゃで論理的でなく、理由にもなっていないことが多いです。
単純に「改造して見た目を変えたいから」、「珍しい物を使いたいから」などと素直に言えば良いものを、リールが軽くなると飛距離が伸びるというように、「これを使うとこうなり釣果アップ」などと無理に屁理屈のような理由をつけるために、頭が悪い感じになってしまっています。
売る側の人が、もし本気でそういった屁理屈を言っているなら、かなりのバカなのでしょうし、買う側の人も、それを信じて買ってしまっているなら、同じようにバカな人ということになるでしょう。
別にバカなことは悪いことだとは思いませんが、そういった釣り具を使って、釣り場で「私はバカですよ~。インチキ臭くて無駄に高い釣り具が好きなんですよ~。」と周囲に表明しながら釣りをするのは、ちょっと恥ずかしいのではないでしょうか。
普通の道具で普通に釣りをしている人達からしてみたら、ただの笑い者でしかないでしょうし、カスタムだハンドメイドだといった勘違いお笑いグッズを沢山使っている人達は、ちょっとは考え直してみた方が良いのではないかと思ってしまいます。