オールドのスピニングリールというものは、シンプルな構造をしているので、乱暴な使い方さえしなければ、何十年も使えるものです。
ただ一つだけ弱点があり、ベールスプリングに寿命があるタイプのバネが使われていることが多い点です。
このスプリングが壊れてしまえば、リールは一瞬で使えなくなってしまいます。
ただ、スプリングを交換さえすれば、また一瞬で使えるようになるのです。
そこで問題になってくるのは、オールドリールのベールスプリングを入手するには、どうすればよいのかという点です。
折れやすいスプリング。
まず、オールドのスピニングリールのベールスプリングには、どのようなものが使われていて、どのようなものが折れやすいのか、見てみましょう。
インスプールリールに使われていることが多いのが、このタイプのものです。
このタイプは、ちゃんと設計されていれば、相当使い込まないと折れることはないようです。
ただし、寿命はあるものですし、90年代のミッチェルや92年復刻カーディナル33のように巻き数が少なく折れやすいものもあり、交換が必要になってくることもあるはずです。
アウトスプールタイプのリールに使われていることが多いのが、上の写真のトーションスプリングというものです。
このスプリングだと、ベールを手で閉じることができますが、耐久性は低いようです。
有名で人気のあるリールでは、ペンのスピンフィッシャーやアブのカーディナルC3、C4、C5などに使われています。
特にカーディナルC3のスプリングは、最弱と評判なので、折れる前に予備を持っていた方が良いのかもしれません。
ベールスプリングの入手方法。
さて、こうしたベールスプリングが、折れてしまった、または予備が欲しいという時には、どうすれば良いでしょうか。
カーディナル33などの超人気機種のものなら、取り扱っているショップもあるので、一瞬で見つかるかもしれませんが、それ以外はなかなか難儀することが多いです。
たまに、国内のオークションサイトに出品されていたりもしますが、わずかな限られたモデルのものだけです。
海外のオークションサイトには、日本よりもパーツが沢山出品されていますが、利用するのが、なかなか面倒です。
こういったことをしてスプリング入手するなら、物によってはもう一台リールを買ってしまった方が安いなんてことにもなりかねません。
救世主 須山スプリング。
そんな悩めるベールスプリング難民達の救世主が、須山スプリングという会社です。
東京都大田区にあるスプリング会社なのですが、なんとこの会社は、スプリングの見本を送れば(折れていても可)、一本からでもスプリングを作ってくれます。
それも、非常に良心的な値段です。
こちらの会社のスプリングの値段を見れば、いかに小規模な釣り具メーカーの売っているカスタムパーツのようなスプリングがぼったくりであるか、よく分かると思います。
カーディナル33、44、C3、C4(C5)の物は、見本は不要で、注文すれば数日で送ってくれます。
コンタクトのとり方も簡単で、ホームページのフォームから、すぐに注文できるようになっています。
たまに、この会社のスプリングを売っているショップがありますが、それを買うのだったら、直接注文した方が安いはずです。
以上のように、須山スプリング様という会社がある限り、オールドリールを使う際に「スプリングが折れたらどうしよう」という不安は無用なのです。
どうか末永くこの会社が続いていってくれることを、祈るばかりです。
そのためにも、スプリングはできる限りこの会社から入手しようと、私は思っています。