私は、黄色い中古釣具屋さんの激安リールが無造作に転がっているワゴンを眺めて、使えそうな物を見つけるのが好きなのですが、最近そのワゴンの中から、なかなか良いリールを発見しました。
ダイワ製 300円のウルトラライトクラスのスピニングリール。
見慣れない小型のスピニングリールがあると思って、手に取ってみるとダイワ製です。
UL13というモデルらしく、小さくて可愛らしいリールです。
若干潮を被っている感じですが、どこにも不具合はなさそうです。
ちょっとだけミッチェル4400シリーズに似ているような、独特なデザインをしていて、なかなかおしゃれです。
そして、これが300円程度だというのですから、買わないわけにはいきませんでした。
さて、家に帰って軽く清掃し、グリスとオイルを差してみれば調子はバツグン、ラインを巻けばすぐにでも使えそうです。
台湾製とのことですが、スプールとハンドルは金属製で、作りもしっかりとしていて、それほど安物といった感じはしません。
それでいて、ボディは樹脂製なので、とても軽く仕上がっています。
ハイスピードと書いてあり、ギア比はハンドルを回して見た感じでは、1:4.7くらいありそうです。
結構スプール径も大きいので、巻き取り速度で不便を感じることはなさそうです。
ギアの回転も滑らかで、言うことなしです。
ドラグも、ちゃんと調整も効きますし、実釣には何の問題もないレベルでしょう。
スプールと脚の距離も適切で、とてもキャストとフェザリングがしやすそうです。
ベールスプリングが寿命の短いとされるトーション式なのは、やや不安です。
このリールが売られていた時代には、特許の関係で現代のリールのようなコイルスプリングは使えなかったそうなので、まあ仕方がないことでしょう。
まあ、折れても、自分で巻いて適当なスプリングを作れば、直せそうです。
そんなわけで、ベールスプリング以外は何の問題なく、快適に使えそうなリールが300円程度で手に入ってしまいました。
管理釣り場や渓流のルアー釣りなどには、ばっちりのものでしょう。
こんなに良いリールが300円で買えるのに、数万円もするリールをわざわざ買う人がいるのが、不思議でありません。
このリールを使って釣りをするのと、6万円のリールを使って釣りをするのとで、釣果に差が出ることは、まずないはずです。
しかも、このリールの方が、現代のリールよりも、おしゃれな見た目ではないでしょうか。
美しい魚と並べて写真を撮る時に、より違和感がないのは、こちらのリールでしょう。
渓流や管理釣り場でルアー釣りを始めてみたい人には、まずはこのようなリールが売られていないか、中古屋のワゴンを覗いてみることをお奨めします。
それにしても、このリールには潮の付いた8号くらいのラインが巻かれていたのですが、一体どんな釣りに使われていたのでしょうか。
リールのサイズから考えて、明らかに想定外な過酷な使われ方をしていたのでしょうが、どこも壊れてはいませんでした。
やはり、リールというものは、シンプルな構造なほど丈夫で長持ちするものなのでしょう。