さんざんステラやイグジストなどの高級リールをバカにしている当ブログですが、私もステラを買ってしまいました。
とは言っても、3000円ちょっとで手に入れられた、95 ステラ4000です。
ちょっと面白いので、どんなリールなのか見ていきましょう。
穴の空いたスプールのリール。
私にとってステラとは、子供時代から「テレビに出てくる人達が使っている、スプールに穴の空いたリール」という認識でした。
そのスプールの穴が開いたのが、この95モデルからだそうです。
確かに、このリールを子供時代に、よくテレビの釣り番組で見かけた気がします。
あの頃は、とてもで買えなかったリールを、こんなに簡単に買えるようになったのですから、長生きしていると良いこともあるものですね。
見た目は塗装がハゲまくって、ボロボロでしたが、ガタついたりする部分はなく、内部のギア等もピカピカで、ちょっと驚きです。
高級品なだけはあるようで、ちゃんと作ってはあるようです。
それにしても、一体どんな扱い方をすれば、リールがこんなにボロボロになるのでしょうか。
海にでも沈んでいたのでしょうか。
回転の滑らかさもバランスの良さも、普段私が使っているようなリールとは比べ物にならないくらい良いです。
これで3000円ちょっとなのですから、なんだか良い時代になったものです。
良い感じに艶もなくなり渋い感じになっているので、ピカピカギラギラしたリールの嫌いな私でも、ちょっとは使っても良い気がしてきます。
95ステラの問題点。
ただ、このリールをじゃんじゃん使おうとは、ちょっと私は思えません。
それは、いくつか良くないと思う点があるからです。
まず衝撃的だったのは、ハンドルがねじ込み式ではなく、共回り式だったことです。
シマノの最高機種のリールで、こんなことがあるのでしょうか?
私の持っているミッチェルなどの古い普及品のリールでさえ、ねじ込み式のハンドルです。
ちょっと理解ができないレベルのショボさです。
大型の機種やハイギアの機種は95ステラでも、ねじ込み式のハンドルらしいですが、もうちょっと真面目に物作りをして欲しかったものです。
それから、ベールワイヤーが細く、めちゃくちゃ弱そうです。
また、細いだけではなく取り付け方も悪いので、このベールワイヤーがつけ根から折れたという事例が、いくつも報告されています。
スピニングリールのベールワイヤーが折れたら話になりません。
どんなバカな人が考えたのでしょうか?
それから、このリールの瞬間ストッパーというものが、フェザリングの邪魔でしかありません。
この一切逆転しないストッパーをオンにしてキャストすると、ローターが正転してしまい、ベールワイヤがフェザリングの邪魔をすることがあります。
これを防ぐために、この次のモデルからは、ベールを開くとローターにブレーキがかかるようになったようですが、そんなことは、このリールの何十年も前に作られたインスプールのカーディナルでさえやっていたことです。
そもそも、遊びの大きいストッパーにしておけば、こんな不便なこと起きないはずですし、実釣では何の利点もないような瞬間ストッパーを、一体何のために採用したのでしょうか?
しかも、この機構のためのパーツは故障しやすいものらしく、逆転したという話はいくらでも聞かれます。
いつ効かなくなるか分からないストッパーのリールなんて、釣り場に持っていくのはスリリング過ぎます。
こんなスリルを楽しむようなものを、自転車を作っている会社が出していたなんて、ちょっと頭のイカれた社員でもいたのでしょうか。
このような問題点を通して見えてくるのは、このリールは、釣りを知らない人達が作ったものとしか思えないということです。
機械としての完成度はかなり高いのかもしれませんが、実際に釣りに使うとなると、あまりに不便であったり不安な部分が多すぎます。
釣りをして、正しくリールを使う人達が考えたものならば、絶対に犯すことのないようなミスを、いくつもおかしているのです。
アウトスプールのスピニングリールなら、カーディナルCシリーズの方が、ずっと釣りには使い易く、優れているものだと、私は思います。
このリールも、ベールスプリングが折れやすいという大欠陥がありますが、それ意外には何の問題もなく、手に馴染むように使い易いものです。
それにスプリング程度なら、スペアを用意しておけば、一瞬で修復できるものであり、ベールワイヤーが折れたり、ストッパーが効かなくなることに比べれば、ずっと小さな問題です。
そこまで高級でもない一世代前のリールに、最高級リールが負けてしまうとは、シマノとはどれだけ釣りが分かっていない会社だったのでしょうか。
私は、現在のステラというものを触ったことはありませんが、このリールが出た時からは、25年近くもたっているのですから、当然、さすがに釣りをするのには何の問題もないリールに修正されているのではないかと思います。
しかし、このリールを見ていると、ちょっとだけ疑いたくもなってきてしまいますね。