どんな物には寿命というものがあります。
釣りに使うリールにも、当然寿命はあるでしょうが、一体どれくらいのものなのでしょうか?
測定不能。
私は、釣りをする時には、気分的な理由からオールドリールと呼ばれるような、何十年も前に製造された物を使っています。
これらは、何十年間も継続して釣りに使われ続けたわけではないでしょうが、かなり私の前の持ち主が使いこんだような物もあり、それをさらに私が何年も使っているわけです。
しかし、一向に壊れる気配はないですし、問題なく使い続けられています。
絶対に私が死ぬまでは余裕で使えそうなわけで、これらのリールの寿命は測定不能です。
このように釣り具のリールというものは、しっかりと作られたシンプルな物ならば、寿命は測定不能なレベルであると言えそうです。
現代のリールの寿命は3年?
オールドリールは寿命が測定不能でしたが、現代のリールはどうなのでしょうか。
現代のリールは作りが複雑になった分だけ、長く使えば使うだけ、あちこちに不具合が生じやすくなってきます。
それでも、ちゃんとメンテナンスを行ったり、パーツを交換すれば、しっかりと作られた物なら何十年でも使えるのではないでしょうか。
ただし、そのようにリールを大切に長期間使うことを、釣り具メーカー側は想定はしていないはずです。
有名なモデルのリールは、だいたい3年から4年に一度程度でモデルチェンジが行われます。
これは、釣り具を売って利益を得ているメーカー側は、できれば3年に一度くらいは、リールを買い換えて欲しい、という意思の表れなのではないでしょうか。
古くなったリールも多少はメンテナンスを行ったり、パーツの供給もするわけですが、これらも数年で打ち切られることが少なくありません。
ですから、釣り具メーカーの本音としたら、「3年たったら、新しいリールを買え」といったところなのかもしれません。
こうなってくると、商品自体も、とりあえず3年はもつ耐久性があれば良いことになり、極端に言えば3年たったら壊れるリールが理想的なのかもしれません。
もちろん、そんなリールを販売したら、メーカーの信用はがた落ちするでしょうから、実際にはそんなことはしないでしょうが、物作りのスタンスとしては、そんな感じで行っていたとしても不思議ではありません。
リールは壊れなければならない。
このようなことは、とても自然なことだと思います。
あまりに製品が長持ちしたら、メーカーは物が売れなくなって儲からなくなってしまいます。
事実、私の使っているようなオールドリールを作っていたメーカー達は、せいぜい会社の名前が残っている程度で、ほぼ消滅してしまっています。
長持ちする良い物を作るほど、長期的には利益が少なくなり、適度に壊れる物を作る方が儲かる。
消費社会の基本的な構造は、釣りのリールにもぴったりと当てはまると思います。
私は、このような社会そのものに反感を覚えていますから、あまり現代のリールを使う気になれないのです。
みなさんは、どんどん新しいリールを買って壊す社会と、ゆったりと一つのリールを長年愛用する社会の、どちらが好きですか?
その答えによって、どのようなリールを選ぶかは、変わってくるはずです。