通常、釣り具という物は新品の状態が一番値段が高く、中古の状態で売却する時には、ガクッと値段が下がるものです。
あまり使っていないようなものでも、売る時には定価の半分にもならないこともあるのではないでしょうか。
新古品の状態でも、ちょっと古くなってモデルチェンジされた物などは、随分安くしか売れないこともあります。
ところが、このような中古釣り具の常識が当てはまらないことがあるものがあります。
オールドリールやオールドロッドといった、オールドタックルです。
オールドタックルの価格の変動。
オールドタックルは、ごく一部の人気のあるものを除けば、かなり安く購入できるものです。
オールドタックルと言うとちょっとカッコ良いですが、実際にはただの古くさい釣り具ですから、特別人気のある物でなければ、オークションサイトやリサイクルショップで格安で売られているからです。
こういった物を購入し使っていると、いつの間にか人気が出たり、より古くなり貴重になることがあるからか、買った時よりも値段が上がっていることがあるのです。
例えば、私は基本的にリールは5,000円以下くらいの物にしようと思い、オールドリールを買い集め、それを使った釣りをしてきました。
しかし、それらを購入してから何年か経過し、同じリールの値段の相場を見てみると、明らかに値上がっている物が多く、平均しても2倍くらいになっています。
実際に、使う機会のないリールを売却してみたこともありますが、なんと買った時の4倍近い値段になってしまいました。
このように、オールドタックルは所持している内に、価格が上昇する可能性がある資産のようなものと言えるのかもしれません。
しかし、だからといってオールドタックルに価値があるとは言えないはずです。
釣り具の価値を決めるのは、市場価格や性能や評判や人気では絶対にないはずです。
釣り具は、魚を釣る道具なのですから、「実際に自分自身がそれを使って魚を釣り、満足できるか」という点でしか、本来は評価できないはずです。
1円で買ったリールでも、あなたがそのリールを使って魚を釣り嬉しい気持ちになれるのならば、そのリールはあなたにとっては、かけがえのないほど価値のある物でしょう。
オールドタックルは価格が上昇することがありますが、それイコール価値が上がっているというわけではないのです。
目先の価格などに惑わされずに、自分の価値観で釣り具を選んで釣りをした方が、より心の豊かな釣りができるのではないでしょうか。