稀に釣り人を呼び込めば、ついでに観光などをしてくれて、経済効果があるのではないか、と考えている地方自治体などがあるようです。
釣り人である私が考える限りでは、あまりそのような効果は期待できないのではないかと思ってしまいます。
釣り人は決して観光客ではない。
釣りをしない人には意外と理解されていないことかもしれませんが、釣り人と観光客は全く違う人種の人間です。
地方の人は「他所から来た人なら、観光してくれるだろう」と安易に考えてしまうのかもしれませんが、そのようなことは釣り人にはあまり当てはまりません。
釣り人が一番興味があることは、釣りです。
もっと言ってしまえば、釣り以外には興味はありません。
良い釣りさえできれば満足であり、それ以外の観光などには興味はなく、余計なお金は使いたがらないものです。そんなお金があれば、釣り具を買いたがったりします。
私自身も国内・海外問わず、遠くに釣りに行くことは多いですが、ついでに観光をしたいと思ったことは一度もありません。
「観光する暇があるなら、もっと釣りさせろ」「観光に使う金があるのなら、もう一日釣りさせろ」というのが、大部分の釣り人の気持ちだと思います。
もしも、釣り人が観光する気になるとしたら、それはもうとんでもなく魚が釣れまくって満足しきった時しかないでしょう。
そもそも、大部分の観光というものは、極端に言ってしまえば詐欺に近いようなものだと、私は思っています。
どうってことのないこと景色や、どうってことのないこと食事などで、足元を見るように大金をとるなんて、とても良心的な商売だとは思えません。
釣りというものは、できれば人間の存在しないような大自然の中で楽しみたいものですから、観光なんて人間くさい経済活動は、釣りとは対局にある邪魔なものだと思ってしまいます。
私ほど極端な考え方をしている人は少ないでしょうか、釣り人が観光というものを快く思わないことが多いのは確かなことでしょう。
ですから、釣り人が来ることによって、観光業が潤うということは、せいぜい宿泊客が少し増えるくらいなもので、あまりないと思うのですが、どうなのでしょうか。
釣り人が、釣りに来たついでに立ち寄るから儲かりまくってウハウハだという観光地なんて存在するのでしょうか。