日本で異常に人気があるオールドリールとして、インスプールのカーディナルがあります。
毎年のようにカーディナル33系のモデルが限定生産されているので、このリールを使ってみたいという人は、意外と多いのかもしれません。
そういった人達は、復刻版を買うべきか、オールドのオリジナル物を買うべきか、迷うこともあるかもしれません。
私は、カーディナル44ばかり使い、33はほとんど使ったことがないので、今回は44を使ってみた経験から、復刻とオリジナルのどちらが良いのか、考えてみたいと思います。
92年の1回目の復刻カーディナル33はかなり酷い品質なので除外して考えるとすれば、33にもそれなりに当てはまる考察にはなると思います。
復刻とオリジナルの違い。
復刻とオリジナルでは、パーツの作りや寸法が微妙に違います。
分かりやすいところでは、ハンドルの長さが違っていたりします。
ただし、パーツには互換性があるくらいなので、あまりこの部分では、どちらが良いかなどの差はないと思います。
それから、パーツの精度や組立ての丁寧さは、オリジナルの方がやや良い気がします。
有名なところでは、ベールワイヤの曲げ方が、オリジナルの方が丁寧だという話があります。
また、ベールワイヤ自体も復刻版は歪んでいることがあまりに多く、これを修正するのは、ちょっと苦労するものです。
ただし、いくら作りがやや丁寧でも、オリジナルの物は何十年も前に作られて、物によっては何十年も使われ続けたものなのですから、その分弱っている可能性もあります。
特にスプールは、初期のオリジナルのものは素材が弱そうですから、やや不安があります。
ですから、オリジナルと復刻では、どちらが良いとは一概には言えないことだと思います。
使用感の違い。
それでは、復刻版とオリジナルを実際に使ってみた時に、差はあるものなのでしょうか。
これに関しては、全く差は感じません。
どちらも安定して動き、しっかりと魚が釣れるものです。
オリジナルの方がやや作りが丁寧な気がするとは言っても、先述のベールワイヤの歪みさえなければ、実際の使用や耐久性には違いはない程度のことなのでしょう。
何十年も前に作られて使われ続けた物と、復刻版の使用感が変わらないのは、このリールがシンプルで丈夫な設計である証拠だと思います。
ですから、復刻版も間違った使い方さえしなければ、何十年も使い続けられるだけの物にはなっているのではないでしょうか。
以上のように、カーディナル44の復刻版とオリジナルのどちらが良いとは、はっきりとは決められないことだと思います。