アブの古いアンバサダーというものは独特の魅力があるもので、ベイトリールを使った釣りを滅多にしない私でも、ついつい所有してしまっています。
あまり出番のないリールですが、その使用感などをちょっと見ていきましょう。
アンバサダー 5500c
私はアンバサダーについては、全く詳しくないのでよく分からないのですが、フットナンバーが74で始まっているので、このリールは1974年製なのでしょうか。
また、ハンドルにガルシアのステッカーがついているので、アメリカ流通のものだったのかもしれません。
傷が多かったからか、4,000円程度で買えてしまった記憶があります。
製造時期によって濃さが違うというブルーグレーのカラーも絶妙な色で綺麗です。
使用感。
傷が多いものでしたが、全く不具合はなく、1974年に製造されてから何人の人が使ったかは分かりませんが、今でもバリバリに使えています。
5000番というサイズですので、やはり快適にキャスティングするには、それなりに重いルアーが向いているようです。
私は、だいたい13~17グラムくらいのスプーンを暇つぶしに投げて遊ぶ時に、このリールを使っています。
パーツを交換したり改造すれば、軽いルアーも投げられるようになるのかもしれませんが、そこまでこのリールにこだわる必要は感じませんし、そういうセコい釣りがしたいのだったら、現代のセコいリールを使えば良いのではないか、と私は思います。
5500Cというモデル名は、5000のハイスピードバージョンでベアリング入りという意味ですが、現代のハイスピードという基準からすれば、とても巻き取り速度は遅いものです。
そこら辺を意識して使ってはいるのですが、このリールを使うとどうも調子が狂い、あまり良い魚が釣れたことはありません。
せっかく古くて美しくて良い物を持っているのですから、いい魚を釣って並べて写真を撮らなければ意味がないとは思うのですが、ついつい目先の釣果に目が眩み、カーディナルなどの釣り慣れたリールで魚を釣ってしまってばかりです。
このガッチリとした重量感があり、スウェーデン人が1つ1つ手で組み立てていたんだという温もりがあり、いかにも趣味の道具といった雰囲気のある古いアンバサダーが、今だに沢山の人を魅了し続けているというのは、よく分かる気がします。
私が死んだ後は、誰がこのリールを使うことになるのでしょうか。
そういった遺言の心配をしなくてはならないほど、古いアンバサダーは長生きで味わい深いリールです。