釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

自然本来の姿を教えてくれるオショロコマ。

北海道には、オショロコマという一際美しいイワナの仲間が生息しています。

このオショロコマ、サイズが小さく、あまりにも簡単に釣れてしまうためか、釣り人には全く人気がありません。

 

f:id:nyandaro:20210925144621j:plain

大量に釣って食べたり売ったりする人か、生息域や形態の違いを調べるのが趣味のようなマニアックな人でもない限り、年中オショロコマばかり釣っているような人はまずいないでしょう。

せいぜい一年に一度くらい暇つぶし程度に釣って、「綺麗だなぁ」と見惚れるといった感じの釣り人が大半なのではないでしょうか。

 

f:id:nyandaro:20210925144743j:plain

そんな状態だから、日頃から誰も釣りをしていないような、オショロコマの生息する小さな川というものが、無数に存在します。

そして、そういった川で釣りをした時、開発などで環境が著しく悪くなっていない限り、とんでもない釣りを体験することができます。

 

f:id:nyandaro:20210925144720j:plain

オショロコマを釣るためには、フライは大きくても小さくても良い。
浮いても沈んでも良い。
キャストなんかしなくても良い。
とにかく水面に落として、すーっと流して、流れきったあたりでピックアップすれば、もう魚は釣れている。
といった感じなのです。

目でフライを追って、真面目にあわせるなんてこと必要もなく、ただ適当に流して、ピッと竿を立てればもう釣れているのです。
これが自分が釣りを止めない限り、永遠に続きます。

 

f:id:nyandaro:20210925144935j:plain

日頃から本州の渓流などでヤマメを真面目に釣っている人などがやったら、今までの釣りは何だったのかと衝撃を受けるに違いないでしょう。

でも、よくよく考えてみれば、釣りというものは本来はこういったものなのではないでしょうか。
その川が自然本来の状態に近く保たれていて、適正な数の魚が住んでいて、あまり沢山の人が釣りをしていなければ、「何をしたって、そこに魚が居れば釣れる」のが当たり前だと思います。

ですから、よく釣り人は魚を釣るためには、あれこれと難しいテクニックが必要だと語りたがりますが、そんなことが必要な時点で、本来の自然とはほど遠い環境で釣りをしているということなのかもしれません。

 

f:id:nyandaro:20210925145104j:plain

適当に釣り糸を垂れれば誰でも釣れる状態でないということは、もうかなり自然が破壊された状態ということなのでしょう。
そういった状態を放置したり、さらに悪化させるようなことになれば、ますます釣り本来の姿から離れた「魚が釣れない魚釣り」しかできなくなる可能性が高いです。
ですから、釣り人は、日頃から少ない魚を奪い合うことばかりに夢中にならずに、ちょっとは自然を守ることに頭を働かせる必要があるのではないでしょうか。

無限とも思えるほど釣れてきてしまうオショロコマの姿を見ていると、そんな反省をしたくなります。