トラウト用のランディングネットには、ハンドメイドでやたら高価なものがあります。
そういったものを買う人や売る人の中には、「ランディングネットは釣れた魚の写真を撮る時のキャンバスだから、美しいものが必要だ」と言うような人がいます。
魚を釣って寝かして写真を撮ると、ネットが背景になるために重要だというような意見です。
説得力があるような気もする意見ですが、そもそもランディングネットって、そんなに美しいでしょうかね。

貴重そうな木とか凝った色の編み上げのネットとかいったものは、綺麗といえば綺麗ですが、自然の石の川底と比べたら、美という観点では負けるのではないでしょうか。
自然の力で作られた、色とりどりの石が透き通った水の中に並んだ状態は、人が人工的に作ったネットなんかとは比べものにならないほど美しいものでしょう。
ですから、魚が釣れたらネットから出し、石で周りを囲んで逃げないようにして、自然の石を背景にした方が美しい写真が撮れるのではないでしょうか。

そうするのなら、人の手で作られた偽物の美しさしか持たないネットなんて、用意しておく必要はないでしょうし、とりあえず魚を掬えればなんでも良いでしょう。
それに、魚をリリースするのなら、高価なランディングネットの目の粗い網は、魚体や鰭を傷つけるために最悪なものです。
偽物の美しさしかなく、魚を傷つけるとなれば、これはもう最悪なものではないですか。
おまけに価格も高いとなれば、これほど不要なものはないのではないでしょうか。