私は、たまに川を利用したマス釣り場の側を車で通ることがあるのですが、そのすぐ下流で釣りをしている人を結構見かけます。
増水した時なんかに下流に落ちてきたニジマスを狙っているのでしょうけど、なんだかセコい光景だなと思ってしまいます。
そんなセコい釣りをする人達が、最近どんどん増えてきているから、ちょっと面白いものです。
以前は、雨の後などにエサ釣りのおっちゃんが1人か2人いる程度だったのですが、最近はほんの短い区間に10人近くの釣り人が入っていたりします。
結構若い人もいますし、エサ釣りだけではなく、ルアー釣りをやっている人までいます。
そんな所で釣りをしたって、マス釣り場から流れてきた、顔が潰れてヒレがない25センチくらいの、完全なる塩焼き用養殖ニジマスしか釣れないのに、こんなに人気なのですから不思議なものです。
「釣りまくって持って帰って食べる」という、とにかく安く魚を獲ろうという、エサ釣りのおっちゃん的な楽しみ方ならまだ分かりますが、わざわざルアーで釣りをしたりするのは謎でしかないですね。
ルアーで、ボロボロの養殖塩焼サイズのニジマスを釣るのだったら、管理釣り場に行った方が、まだ綺麗で大きな魚が釣れて良いのではないかと思うのですが。
管理釣り場に行くのと、落ちマスを釣るのこと違いを考えてみると、お金がかからないという違いはありますね。
もしかしたら、近頃の格差が拡がりまくった世の中では、もう管理釣り場に行く余裕のない人も増えてきているのでしょうか。
お金が無い中でも、なんとか釣りを楽しみたいという人達が増えたから、落ちマス釣りが盛況なのだとしたら、まあ仕方がないことなのかもしれませんね。
落ち着いて考えてみれば、私だって、いつそんな釣り人達の仲間入りをすることになるのか、わかったものじゃありません。
これからこの国には、もっと経済的に余裕の無い人が増えていくことは間違いないでしょうから、落ちマス釣りのような、慎ましくおこぼれを頂戴するような釣りは、一つの文化として定着していくのかもしれません。