ここに2枚のアメマスの写真があります。
一方はダム湖で、一方は川で釣ったものです。
どちらも同じようなサイズで、釣れた時は「結構コンディションが良いやつが釣れたな!」と思ったのですが、見比べてみると随分と魚体の太さなどに差があります。
ダム湖で釣れた方も、その釣り場では珍しいくらい立派なものだったのですが、川で釣れたものと比べると、まだまだ細く情けない体をしています。
こういった違いを見ると、やはり「ダム湖は自然ではないのだ」と実感させられます。
海と繋がり、豊富なエサを求めて魚達が行き交う自然の川と比べると、ダム湖というものは人工的な狭い池でしかないのでしょう。
そこに閉じ込められてしまった魚達は、本来の自然な姿ではなくなってしまうのは当然かもしれません。
ダム湖でも魚が増え出した瞬間は、一時的に魚が大型化することがありますが、その後は水に栄養がなくなるにしたがい、どんどんと小型化していくものです。
昔は、巨大なアメマスやサクラマスやイトウやニジマスが釣れたというようなダム湖のほとんどが、今では貧弱な魚しか釣れないような釣り場になっています。
昔はダム湖ができると、大きな魚が釣れるようになると喜ぶような釣り人もいたようですが、それは一時的なことであり、結局はダムの建造なんて自然破壊でしかなかったのでしょう。
こういった現実を考えていると、なんだかダム湖で釣りをするのは、あまり良い気分がしないものではないでしょうか。
まあ、それでもそこに釣れる魚がいるなら、たまには釣りをすることはあるわけですが、いつも心の中のどこかに「ニセ物の自然の中で釣りをしているんだ」という気持ちがあり、すっきりはしないものです。