「思い出のマーニー」というアニメや、「雨鱒の川」という映画には、川でイトウを狙っているらしき釣り人が登場します。
どちらも一人ぼっちで釣りをしているおじさんで、どこか影があり、独特の雰囲気があります。
たまに実際の釣り場で見られるように、おっさんが複数人でつるんでゲラゲラと下品に笑っているのとは違い、そこには風景に溶け込むような「心の世界」があります。
川で釣りをするということは、本来はこういったものではないかと、映画での釣り人の描かれ方を見ると、私は思います。
仲間だなんだと複数人で連れだって釣りに来ただけで、雰囲気はブチ壊しですし、一人でゆっくりと釣りをして自分の心と語り合うような時間は、絶対に訪れなくなってしまいます。
「リバーランズスルーイット」は、家族でワイワイ釣りをしているじゃないかと言われるかもしれませんが、あれだって最後は一人ぼっちになって、静かに思いに耽り名言を残して終わるではないですか。
やっぱり、釣りというものは一人ぼっちでして、あれこれと自分の人生について思いを巡らすのが本来の姿なのではないでしょうか。
せっかく釣りをするのだったら、バカ騒ぎをして上っ面な喜びを得るだけではなく、深く自分の心を見つめ直すような、そんな時間にしたいものです。