世界各地で何でもない陸地に魚が降ってきたということがたまにあるそうで、これは「ファフロツキーズ現象」と呼ばれるものの一つだそうです。
「ファフロツキーズ現象」とは、そこにあるはずもないものが降ってくる現象のことで、水の中に住んでいるはずの魚が陸地にバラバラと落ちているのは、まさに典型的な例のようです。
こういった現象が起こるのは、竜巻説だとか鳥が落とした説だとか様々な原因が考えられるものの、確かな原因は分かっていないそうです。
実は、私もこの「ファフロツキーズ現象」を目撃したことがあります。
早朝に釣りに行こうと川の土手を歩いていたら、完全な陸地にも関わらず、トゲウオがパラパラと何匹か落ちていたのです。
すでに息絶えていましたが、さっきまで生きていたかのような新鮮な状態です。
「おっ!これが空から魚が降ってくるという現象か!やはり鳥か何かの仕業なのだろうか?」と思ったのですが、その原因はすぐに分りました。
もう少し足を進めていくと、まだ早朝なのに川から引き上げてくる釣り人の姿が見えました。
そして、その釣り人は、竿やネットの他に小さな折り畳みバケツを持っていたのです。
その姿を見た瞬間、私はその釣り人が何をしていたのか分りました。
そこはイトウが釣れる川でしたから、その人は夜釣りをしていたのでしょう。
そして、そのバケツにはきっと餌にするトゲウオが入っていたに違いません。
昔は、こういった餌を使ったイトウの夜釣りをする人が多かったとは聞いていましたが、今でもいるとは何とも驚きです。
おそらく、さっき落ちていたトゲウオも、その人の仕業なのでしょう。
暗闇の中移動する時にでも、バケツからこぼしていったのではないでしょうか。
謎が解けてすっきりしたのは良いのですが、今度は心の中に別のモヤモヤが持ち上がってきました。
ああいった夜釣りの人は、イトウをキープする人が多いようですし、剥製にして売るような人もいるようです。
逃がすにしても、餌釣りだと針を深く呑み込み死んでしまったり、暗い中で岸に上げて暴れさして弱らせたりと、かなり問題がある釣りです。
思い返してみれば、たまに昼間に水路のような所でアミで何か掬っている人を見かけることがありましたが、あれはこういった夜釣り用の餌を準備していたのではないでしょうか。
どうも、こういった餌を使ったイトウの夜釣りをする人は、まだまだ意外と多いのかもしれません。
イトウは持って帰って良いほど沢山居る魚ではないですし、死ぬような釣り方もしてはいけないでしょうから、私個人の意見としては、こういった釣りはするべきではないと思います。
夜な夜なこういった釣り人が暗躍しているとは、何とも困ったものですが、何の規則もない現状では釣り人のモラルに頼ることしかできません。
あまり若い人は、こういった釣りはしないでしょうから、とにかく夜釣り餌釣り世代が死に絶えるの待つしか解決策はないのかもしれませんね。