釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

防災無線のチャイムが鳴ったら諦める。

どこの地方でも、釣りをしていて夕方になると防災無線のチャイムが聞こえてくることがあります。
「夕焼けこやけ」とか「ふるさと」とかドボルザークの「家路」とか、妙に切なくなるメロディーで、急に自分一人だけが川にが取り残されたような、なんとも寂しさを感じるものです。

そして、その日はその時間まで釣れていないのだったら、私はもう釣りを止めてしまうことが多いです。

 

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季節によっては、夕方の4時や5時といったら、「まだまだこれから!」という時間ではあります。
しかし、「朝から釣りを続けて、何も起きていないのだったら、これ以上やっても無駄なのではないか」と納得させるだけの力が、あの切ないメロディーにはある気があります。

「子供の頃だって、チャイムが鳴ったら家に帰ったじゃないか」と思い、私は重い足取りで車へと向かうことになるのです。

 

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秋~冬に向かう時期に魚が釣れずに聞くチャイムは、殊更に身に堪えますね。
その季節なら、日の入り時刻的にもタイムアップな感じですし、陽が傾いて冷たい風が吹いてきたりして、敗北感を増幅させます。

子供の頃、チャイムが鳴って家に帰る時には、「また明日」と別れる友人がいたわけですが、今では一人ぼっちで川に立っているだけで、何かを語り合う友人もろくにいません。

 

 

そういう人生が好きだから、こうなるように生きてきたわけですが、このまま年老いて一人で死ぬのかと思うと、不安にならないこともないのです。

大人になってから一人で釣り場で聞く夕方のチャイムは、胸を締め付ける効果が抜群です。

あと何回このチャイムを一人で聞くのだろうかと思いながら、いつも私はウェーダーを脱ぎ、竿を仕舞い、バタンと車のドアを閉めて、静かに釣り場から去っています。