釣りにゃんだろう

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冬の名物誌?! 鯉のフライフィッシング。

冬場になると本州以南の渓流や湖などは、ほとんどが禁漁期となっています。

日頃そういった場所での釣りをメインにしている人々は、もう釣りは諦めて道具いじりなどに精を出すか、管理釣り場に行くか、数少ない冬でも釣りができる場所に出掛けるか、といった方法で冬を越すわけですが、昔から人気のあるオフシーズンの暇つぶし的な釣りとして、鯉のフライフィッシングがあります。

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鯉釣り自体は、冬がベストシーズンというわけでもないでしょうが、「冬でも釣れる」という点からフライフィッシングでは冬場に釣られることが多くなっているようです。


タックルやフライ。

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「本気で鯉をフライで釣りたい。一年中やるぞ。目標はメーターオーバーだ。」と考えているなら、それなりに真剣に準備をする必要があるでしょうが、ちょっと釣りをする分には、適当なタックルで気軽に楽しめるのも鯉釣りの魅力でしょう。

ロッドは5番以上ならなんでも良いですし、ラインもフローティングならなんでも良いでしょう。
リールも最悪逆転を手で止めれば良いので、ドラグ性能などにこだわる必要もありません。
鯉はしっかり引いてくれる魚ですから、パワーなどを試してみたいタックルがあれば、この機会にテストしてみるのも得策です。

 

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それからフライですが、これも適当に100円ショップの白いヤーンなどを巻き付けて、パンくずを模したようなものを作るだけで充分です。
強い浮力を持たせたければ、浮く発砲素材などをフックに刺してから、ヤーンを巻けば、沈まないタイプが出来上がります。

本気で鯉釣りを極めたいなら、カラーやサイズや沈み具合など様々なバリエーションが必要だと思いますが、ちょっとやってみるだけなら、「白くて、浮くものと沈むものの2タイプ」があれば充分だと思います。

ただし、フックは絶対にバーブレスにしましょう。
鯉の口は、いかにもフックがめり込んで、返しのあるフックは外れにくそうな質感ですから。
実際に、釣り人の多い川の鯉の口がズタボロになっているなんて話も聞きますから、この釣りはバーブレスフックの使用を徹底するべきでしょう。

 

釣り方。

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準備ができたら、適当な川に行き鯉を探します。
都市部の川にも意外と入漁券が必要な場所が多いですから、注意が必要です。


それから、たまに小さな川では毎日パンを撒き餌付けしているような人もいますから、そういった場所では釣りを控えた方が良さそうです。
釣りが禁止されている場所でなくても、トラブルに発展しかねません。

さて、鯉を何匹か発見できたらその行動を観察します。
水面で流下物を食べているようだったら浮くフライを、中層をうろうろしていたり、底をこずいているようなら沈むフライをチョイスします。

 

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あまり釣り方にこだわりがなければ、この時にパンを投げて魚を寄せたり、反応を見てみても良いでしょう。
ちぎったままの浮くパンに反応するか、少しこねて沈ませたパンに反応するかで、魚の行動が判断しやすくなります。

ただし、これはあまり鯉がスレていない場所でしか行えません。

近頃は、パンで釣りをする人が多すぎるせいか、パンを撒いたとたんに、逃げたり警戒しまくる鯉も多いです。
そういった場所の鯉は寄せ餌は使わずに、魚と距離をとり静かに釣りをしないと、なかなか釣れないようです。
まあ、これくらいシビアな方が、釣りに夢中になれますから、警戒心の強い鯉の方がフライフィッシングにはお薦めです。

 

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浮くフライにしても、沈むフライにしても、フライ先行で自然に流さないと、簡単に鯉は見切ってしまうようです。
流れてくるフライをじっくり観察して、悩んだ末に吸い込むような魚も多いですし、このあたりの駆け引きは意外と面白いです。

鯉がフライをしっかり吸い込んだら、吐き出す前のタイミングでしっかりフッキングします。

後は、鯉のスピードとパワーとスタミナを堪能しつつ、じっくりと寄せてくるだけです。
冬場の鯉は、あまり引かないものですが、それでも結構なもので、日頃渓流釣りがメインの人なら味わったことがないレベルでしょう。

特にスタミナはトラウト類よりもあるようで、私などは「もういいよ… 釣ってすいませんでした。」と途中でめんどくさくなってきてしまうほどです。

 

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同じサイズなら明らかにイトウなんかよりも、ランディングするのは格段にめんどくさいですし、私は一匹釣れば満足してしまいます。

それなら、釣りに引きの強さなどのファイトを求める人は、一年中鯉を釣っていれば良いのではないかとも言えそうですが、そうもいかないのが釣り人の性というものでしょうね。

無事にランディングできリリースも済んで釣りが終わったら、釣りをさせてもらったお礼に、パンを撒き付近の鯉に餌をやって帰るのも良いでしょう。
パンを撒くと逃げてしまうような群も、練って沈む状態にしたパンはしばらくすると食べていることが多いようです。

鯉釣りは、魚を釣ってリリースしてから、罪ほろぼしに餌を与えられるという、非常に珍しい釣りとなっています。

 

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以上のように、鯉のフライフィッシングは、気軽なわりには満足感も疲労感も味わいやすい、冬場にぴったりの釣りだと思います。
思った以上に釣れなくて熱くなれることも多いので、オフシーズンの一日の過ごし方としてお薦めです。