釣りにゃんだろう

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奥日光 湯川のブルックトラウト釣り。

湯川は、奥日光の湯ノ湖を源として戦場ヶ原を流れている川です。
チョークストリームと呼ばれる、ヨーロッパで鱒釣りが行われる川のような環境に似ている流域もあり、古くから西洋式の釣りが行われてきた歴史ある釣り場です。


湯川のブルックトラウト。

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湯川でトラウトフィッシングが行われるようになったのは、明治時代です。

スコットランドの商人、トーマス・グラバーの発案により、明治35年(1902年)にアメリカからブルックトラウトを移入。この年に逃がした稚魚は大雨で流されてしまったそうですが、二年後にも再び放流を行い、繁殖が確認されるようになったそうです。
当時は、外国高官の釣り場として利用されていたようです。

このグラバーさんは、湯川を見て、「この環境なら、フライフィッシングをするのにピッタリだ」というようなことを思い、トラウトの放流を思いついたらしいです。

しかし、スコットランドの人なのに、逃がしたのはブラウントラウトではなく、アメリカのブルックトラウトだったのは、ちょっと不思議な気もします。
当時はアメリカの方が採卵などの技術が進んでいたとか、何か事情があったのでしょうか。

 

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さて、このブルックトラウトという魚、北米原産で和名はカワマスと呼ばれています。
以前は放流している川も結構あったようですが、現在では在来種への悪影響が考えられ、ほとんど行われていないようです。

長野県や北海道のごく一部の川では自然繁殖しているようですが、先ほど言ったように在来種への影響の強い魚ですから、イマイチすっきりとした気分で釣ることができません。

しかし、この湯川はそもそも魚の棲息していなかった場所ですし、公式に釣りの対象魚として繁殖させられており、安心してブルックトラウト釣りをすることができる日本で唯一の川と言えるのではないでしょうか。


湯川の釣りのシーズン・料金・レギュレーション・入渓地点など。

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湯川の解禁期間は、5月~9月となっています。
入漁料は、一日2000円(解禁日のみ3000円)、午後券1500円。
魚は、全てリリースが義務付けられています。

入漁券は、下流部の赤沼茶屋・上流部の湯滝レストハウス・湯ノ湖釣り事務局で購入可能です。
販売時間が曜日や場所によって異なるので、注意が必要です。

駐車場は、赤沼茶屋の裏にある赤沼駐車場(無料)と、湯滝の駐車場(有料)があります。

川に入れる地点もこの2地点に限られているので、釣りを開始する時刻や狙いたいポイントでどちらかを選択すると良いかと思われます。

対象魚は、ブルックトラウトの他にも、上流の湯の湖から落ちてくるホンマスニジマスも釣れるそうです。
しかし、まあ、それらの魚は、わざわざ湯川で釣らなくても良いのではないでしょうか。


実釣。

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梅雨の合間の曇りの日にに、ちょっと湯川に行ってきてみました。

私は、ブルックトラウトという魚は、一度だけ子供の頃に管理釣り場で釣ったことがありますが、自然の川では釣ったことがありません。
事実上、これが初めてのブルック釣りとなるわけですから、上手くいくのかちょっとドキドキワクワクします。

 

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先述のような歴史のある釣り場ですから、ここは完全にフライフィッシングで釣りたい川となっています。

そこでちょっと困ったのは、タックルです。
私は、普段はルアーよりも有利そうな時だけフライをやるような卑しい人間ですので、あまりフライタックルを沢山は持っていません。

一番ライトなロッドで6番しかありません。

これは安物で良いから買うしかないかな、と思ったのですが、ふと自分も3~4番というタックルを持っていたことを、ある日突然思い出したのです。

それは、小学生の時に親に買ってもらったコータックの入門セットのもので、何度か管理釣り場で使ったり、川でオイカワを釣ったのみで、何十年も仕舞ったままにしてあったものでした。

ちょっと釣ってみるだけなのだから、これで十分そうです。
リールだけは見た目が気に入らなかったので、このように加工しました。

 

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さて、何十年も眠り続けたフライタックルの再デビューにして、自然河川のトラウト釣りデビュー戦です。

キャッチ&リリースの釣り場なので、魚は結構発見できます。
しかし、私のへっぽこフライテクニックでは、逃げられたり無視されることも多いです。

特に、戦場ヶ原付近の下流部は、私には難しかったです。
小滝から下の森の中の流れの方が釣り易い感じで、なんとかブルックの顔を見せてもらいました。

 

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そんなに小さくもないし、このロッドとリールの自然河川の初トラウトとして、十分満足です。

頭まで斑尾模様があり、体側には赤い点があるのですね。
初めての魚というものは、なかなか嬉しいものでじっくりと観察してしまいます。

 

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この後、もう少し小さなものを一匹釣ったのですが、そうこうするうちに平日だというのに、随分と釣り人が増えてきました。

川沿いを上でも下でも少しでも歩くと、空中を舞うフライラインが見える状態です。
もしかしたらこういった川では普通の状況なのかもしれませんが、いかんせん窮屈な気がしますし、私はもう満足していたので、のんびり散策でもしながら帰ることにしました。

湯川というとフライのイメージなのですが、ルアーの釣り人もちらほらと見かけました。
もの凄い魚が釣れるわけではありませんが、ゆったりと歴史を感じながら釣りのできる大人の釣り場として、結構人気があるのかもしれません。

お弁当でも持って、デートフィッシングでもしたら最高に楽しい釣り場かもしれません。
ただ、あまり簡単には釣れそうもなかったので、釣りが上手な女の人の方が良い気もしました。