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フライフィッシングは、他の釣りと比べてお金が掛かるのか?

たまにルアー釣りをしている人などが、「フライはお金がかかりそうだからなぁ」と言い、フライフィッシングを始めることを躊躇しているのを見かけることがあります。

そのような人が、本気で始める気があるのかという話は置いておき、フライフィッシングは本当にお金が掛かるのか?ということについて、今回は少し考えてみたいと思います。


意外とタックルが安い。

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「フライはお金が掛かりそう」と言うのは、基本的にタックルなどの道具を揃える費用が高額になりそうだという意味のことなのでしょう。
それ以外の、ウェーダーを履いたり、釣り場に行ったり、必要に応じて入漁料を払ったりする費用は、他のジャンルの釣りでも変わらないわけですから。

 

それでは、フライのタックルにどれだけお金が掛かるのか、ちょっと一枚の写真から計算してみましょう。

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これは60センチ弱のイトウの子供を釣った時のものですが、写っているタックルの値段はこの程度のものです。

  • リール…新古品3,000円
  • ロッド…中古品2,600円
  • ライン…1,200円
  • フライ…80円
  • リーダー…250円
  • バッキングライン…500メートル600円のラインを数10メートル使用
  • ティペット…150メートル800円のラインを1メートル使用

この程度のお金しか掛かっていないのです。
これは、他のジャンルの釣りと比べたら少し安いくらいではないでしょうか。
ロッドやリールを新品で買うとしても、今は5,000円程度の物でも、結構よく出来ていて実釣で何も困ることはありません。
ラインなども、今のものは安物でもちゃんと使えるものになっています。

このように、実際に魚を釣るだけなら、フライフィッシングは特別高額なお金がかかるというわけではないのです。
子供がお小遣いをちょっと貯めるくらいでも、充分に始められる釣りだと思います。


どうして、お金が掛かると思われているのか?

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それでは、どうしてフライフィッシングはお金が掛かると思われているのでしょうか?
それは、テレビ・雑誌・動画などの釣りメディアに登場するフライフィッシングをする人達が、異常に高い道具を使っていることが多く、それを見た人達が「フライはお金が掛かる」と思い込んでいるからでしょう。

よくメディアに登場するようなフライフィッシングをする人が、高額な道具ばかり使っているのは、物の宣伝を兼ねていることが多いのですから、当然なことかもしれません。
それでは、なぜ高額な道具の宣伝をして売らなければならないのかというと、それは日本のフライフィッシングの置かれている立場が原因だと思います。

 

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フライフィッシングを内水面でしようと考えた場合、主にトラウト類がメインターゲットになるわけですが、それらを釣ろうとした場合、北海道を除いた日本国内ではあまり釣り場に恵まれていないものです。

魚があまり居なかったり、放流された魚しか居なかったり、日本には死んだような川や湖ばかりです。

わざわざ魚があまり居ない場所で難しい釣りをしたいと思う人は少ないでしょうから、そもそもフライフィッシングを始めようと思う釣り人が少なく、市場がとても小さいのです。

この小さな市場で利益を上げて、フライフィッシングだけで商売をしようと考えた場合、物を高く売るしか方法はありません。

ですから、フライ用品は高額であり、小規模な会社やプロショップなどの商品はさらに高額にせざるを得ないのでしょう。

 

しかし、ただ値段が高いだけでは、あまり買ってくれる人はいないはずなので、そこで適当なもっともらしい理由をつけ、商品が優れていることをアピールしたりして、必死に売らなければ商売は成り立ちません。

この「もっともらしい理由」は、あくまで「らしい」理由であり、正直こじつけに近いような微妙なものであることが少なくありません。
安物の道具と魚を釣るだけなら大差のないものを、10倍以上の値段で売らなければならないのですから、多少は無理が生じてしまうからです。

 

ちょっとでも物事を自分で考えられる頭を持っている人なら、このような「もっともらしい理由」に釣られて、不当に高い道具を買ってしまうことはあまりないでしょうが、どんなカルト宗教にも信者がいるように、引っ掛かってしまう人は一定数はいるものです。

そういったカルト宗教の信者のような人達が、何十万円もお金をかけて道具を揃え、魚のろくに居ない死んだ川に行き、ああだこうだとうんちくを並べ、小さな魚を釣るというのが、日本のフライフィッシングをやる人の主流となってしまっているのです。

 

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このような現状は、フライフィッシングをしない釣り人達から見れば、ちょっと異様で取っつきにくい印象を抱くものとなっているはずです。

フライフィッシングを始めようとする人が減っているのは、釣り場に恵まれていないことやお金が掛かりそうというイメージよりも、実はこの異様なカルト宗教的な現状が理由なのかもしれませんね。