私は釣りが好きですが、自分で釣った魚を食べたことが、あまりありません。
食べたことがあるのは、ほぼ管理釣り場などの養殖の魚だけです。
世の中には、魚を釣って傷つけるのなら、ちゃんと食べるべきだという意見の人もいますし、環境や資源のことを考えてリリースするべきだという人もいますが、こういった議論などとはあまり関係なく、私は釣った魚を逃がしてばかりいます。
まず、そもそもの問題として、自分が釣った魚を殺すということが、あまり気分の良いことではありません。
そのくせ、魚に釣り針を引っ掛けて引摺り回すわけですから、なんとも矛盾している気もしますが、とにかく生き物の命を自分の手で奪うことは、あまり気分の良いことではありません。
自分の手で殺さないわりには、毎日生き物の命を奪って作られた食品は平気で食べるんかい?とも言われそうですが、趣味のために生き物を殺すのと、純粋な食事のために殺すのは、またちょっと違う気がしてしまうのです。
そして何より、釣った魚を食べるのはめんどうだというのが、魚を逃がす一番大きな理由です。
魚を腐らないように持ち帰り、捌き調理をすることは、釣りだけするのに比べたらとても労力がいることですし、荷物も増えますし、めんどうなことばかりです。
釣って魚を食べるまでが楽しみの人なら、そこまで頑張れるのでしょうが、私はそこまでやる気が全く起きません。
魚が食べたいなら、釣りに行って釣れた魚は逃がして、魚は調理しやすくなっているものを買って帰る方が良いと思っているくらいです。
こんな考えを持っているからか、わざわざ川でサケやサクラマスを密漁したり、数の少ないイトウを持って帰って食べてしまうような人達の気持ちが、私には全く理解できません。
食べ物に困っているわけでもないでしょうし、そんなに魚を食べたいのなら、買ってくれば良いのだし、その方が魚も美味しいはずです。
私だって飢え死にしそうになったら、本気で魚を釣りまくって食べようとは思っていますが、ああいった人達はそこまで極貧の生活をしているのでしょうか?
まだしばらくは、私は釣った魚を食べる必要はなさそうですから、当分ああいった人達の気持ちは分からないのかもしれません。