釣りにゃんだろう

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バーサタイルって何? そんなの当たり前じゃないの?

よくルアーロッドを表す時などに、「バーサタイル」という言葉が使われることがあります。
近頃は、餌釣り用の竿にも使われることがあります。
これは一体、どういう意味なのでしょうか。

 

versatileとは。

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バーサタイルとは、英語のversatileという単語をカタカナにしたもので、元々は「多目的に使える、多用途」といった意味のようです。

英語の「V」の音を、カタカナの「バ」にしてしまった時点で、日本の釣り業界の間抜けさが垣間見える気がしますが、まあ簡単に言えば「色んなことに使えるよ」と言いたいのだと思います。

でも、よく考えて見れば、そんなことは当たり前の話ではないでしょうか。

釣り具メーカーは「~用ロッド」と、対象魚や釣り方ごとに分けてロッドを販売していることが多いですが、別にその表示通り以外の釣りにだって、いくらでも使えるはずです。

そもそも、対象魚や用途によって細かくロッドを分けて売るようになったのは、そんなに大昔の話ではなく、昔はもっとざっくりとした分類でロッドが売られていたものです。

 

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例えば、私がたまに使う古いルアーロッドなどは、バス用ともトラウト用ともされていませんし、フレッシュウォーター用ともソルトウォーター用とも分けられていなかった物です。
ルアーロッドは、ただのルアーロッドでしかなかったわけです。

昔の釣り人は、そういった大雑把な括りで売られている物の中から、自分で考えて調度良さそうな物を選び釣りをしていたはずですし、~用などと用途は限定せず、一本のロッドで様々な釣りをこなしていたものでしょう。
つまり、バーサタイルなんてことは、当たり前だったのです。

 

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それが今ではどうでしょうか。
釣り具メーカーは、細かく用途ごとに分けてロッドを売り、一部の釣り人達はそれに従って、ロッドを買い漁っています。
こうなってしまったのは、メーカーがより沢山のロッドを買ってもらおうと考えたからであり、釣り人側もまんまとその作戦に引っ掛かってしまったからでしょう。

 

このように考えてみれば、別にバーサタイルなんて言われなくても、本来はロッドは使う側が自由に様々な用途に使って良いもののはずですし、わざわざ「バーサタイル」とか言ってくるようなメーカーは、他のロッドは用途ごとに売りまくろうとしているということになり、商売臭くてあまり言うことが信用できないとも言えるかもしれませんね。

ですから、「バーサタイル」という言葉を使っている時点で、もうそのメーカーの言うことは、ちょっと疑ってかかるくらいの方が良いのではないかと、私は思います。