今年、私が一番良く使ったロッドは、なんと数十年前の小学生の時に親に買ってもらったものです。
小学5年生の頃、塾の帰り道に上州屋に寄った時に何かと理由をつけて、コータックの一番安いフライロッドとリールとラインのセットを買ってもらったという一本です。
一番安いセットものとは言え、子供には充分高価なものでしたから、結構嬉しかったですね。
それから、祖母の家の裏の空き地で独学でキャスト練習をして、管理釣り場でニジマスやヤマメを釣ったり、小川でオイカワを釣ったりしましたが、その後釣り自体から疎遠になり、しばらく家で眠りについていました。
それが近年、フライで小物釣りをしようと思い、調度良い物を持っているのを思い出し、再登板することになったのです。
さすがにラインはダメになっていましたが、リールもロッドも数十年前の物でも問題なく使えるものでした。
継続して使い続けてきたわけではありませんが、それなりに使いこんであったり、だいぶ古くなったものでも、ロッドというものは、このようにちゃんと使えるものなのです。
それから、古くて安めのものだといっても、魚を釣るには性能的には問題もないものなのです。
何かのミスをして、ど真ん中から折ったりでもしない限り、まだまだ10年や20年は、私はこのロッドで魚を釣り続けることができるでしょうね。
その頃には、このロッドを買ってくれた親も死んでるかもしれないと思うと、なんだか寂しい気持ちもしてきますが、思い出の詰まったこのロッドは大切に使い続けていこうと思います。
このように、釣り竿というものは、大切に使えば半永久的に使えるようなものなのです。
「ヘタるから消耗品だ」みたいなことを言う人もいますが、実際にはそこまで大きな変化もなく、問題なく魚は釣り続けられるものです。
無理な使い方や間違った使い方をしなければ、ルアーロッドやフライロッドが折れるなんてことは、まずありません。
ロッドが折れるとしたら、初期不良でもない限り、使う側のミスかその人が釣りが下手なだけでしょう。
次から次へと高性能で新しいロッドを求めるばかりでなく、こうして一本一本のロッドと長く付き合い思い出を作っていくような釣りをする方が、ずっと心が豊かな釣りであると思うのですが、いかがでしょうか。