いつだったか、早朝に山間の川沿いの道路で車を走らせてていると、ガードレールから乗り出して、釣りをしているおじさんが居ました。
原付きを路肩に停めて、足元にクーラーボックスを置き、のべ竿をガードレール越しに川まで伸ばして、道路から釣りをしていたのです。
「随分と危ないことをするなぁ。何が釣れるんだろうか?」
と思って車を進めていくと、すぐに答えが分かりました。
その人が釣りをしていた、すぐ上流には、川を利用したマス釣り場があったのです。
おじさんは、上流のマス釣り場から下流に逃げ出してきたニジマス、通称落ちマスというやつを釣っていたのでしょう。
マス釣り場の敷地外でしたから、おじさんがその川の通常の入漁料さえ払っていれば法律的には問題ないのでしょうが、わざわざ早朝からやっているなんて、ちょっと怪しかったですね。
車の中から私が視線を向けた時も、ちょっとこそこそとして挙動不審でしたし、何か悪いことをしていそうな雰囲気ではありました。
たとえ、通常の入漁料を払っていても、マス釣り場の人に因縁をつけられたりすることもあるのかもしれませんね。
だから、マス釣り場の営業時間前に、こそこそと釣りをしていたという可能性もあります。
まあ、何れにしても、そこまでして落ちてきたばかりの養殖ニジマスを釣りたいと思うのだなんて、ちょっと理解不能です。
そんなに養殖のニジマスが食べたいのなら、一匹100円程度でスーパーで売っています。
どうしても釣りたいのなら、堂々とマス釣り場で釣った方が気分がいいはずです。
結局は、お金を掛けずにニジマスを獲っちゃおうという、密漁的な卑しい考えからやっていたのでしょうか。
こういった「お金を掛けずに、お魚をゲットだぜ」といった貧乏くさい思想の釣りをする人は、かなり減ってきてはいるものの、まだまだ居るものなだと見せつけられてしまった一件でした。