餌釣りよりルアー釣りの方が釣れるということもなくはないですが、基本的には餌釣りの方が良く釣れるものです。
やはり餌の食わせる力というのは、絶大なものなのでしょう。
そんな餌にルアーのアピール力まで備われば、滅茶苦茶釣れるような気がしてきます。
ちょっと子供の頃を思い出してみると、そんな釣りを実際にしていた友人が居たので、ここにご報告させていただきたいと思います。
池の横にはスーパーマーケットがあった。
子供の頃バス釣りをしている池がありました。
その池には、水中から突き出た立木があり、その木の周りをズームのミートヘッドというワームで釣ると、結構な確率でバスが釣れることを発見すると、毎回のようにそのポイントを攻めていました。
しかし、何度もそこで釣り続けていると、やはりだんだんと反応が悪くなってきて、その日もいくら立木にタイトにワームをフォールさせたりシェイクしても魚が釣れることはありませんでした。
全く魚が釣れないので、私と友人は池のすぐ横のスーパーマーケットに行って、パンでも買って食べたり鯉釣りの餌にすることにしました。
そのスーパーマーケットで、友人は何を思ったのか急に安売りの牛肉のスライスのパックを手にしました。
「生で食べんのか?」と一瞬思ってしまいましたが、「これで釣ってみる」と友人は言うのです。
生肉ワームの威力は。
スーパーマーケットから池に再び戻ると、友人は例の立木のポイントに向かいました。
そしてワームフックにビラビラと真っ赤な牛肉を適当に刺して固定し、ポチャンと立木の横にキャストしました。もうズームのミートヘッドではなく、本物のミートです。
ゆっくりフォールさせてから、すーっとロッドを上げると、バシャバシャバシャバシャといきなり激しい水柱が立ち、一発でバスが釣れてしまいました。
「肉スゲーな!」
と二人で騒ぎつつ、またキャストをすると、またヒット。
もう一度キャストすると、またまたヒット。
なんと、ワームでは全く釣れなかったポイントで、生肉ワームだと3連発でバスが釣れてしまったのです。
ただし、生肉ワームにも弱点はあるようで、餌持ちがかなり悪く、キャストしたりリトリーブ中に簡単に外れてしまうことが多く、友人はすぐに肉を使い果してしまいました。
最古の生分解性ワーム。
全くルアーで釣った気がしませんし、かなりバス釣りとしては微妙なものでしたが、友人は最古の生分解性ワームのようなもので釣りをしていたのかもしれません。
それから、味や匂い付きのルアーはあまり効果がないと言う意見も多いですが、生肉ワームの威力を見てしまうと、ある程度の効果があるのではないかと思ってしまいます。
やはり魚は、餌のアミノ酸のようなものに反応していることもあるのではないでしょうか。
子供の頃は、本当にバカなことをしたものだな、肉を調理する度に思い出すわけですが、そんな経験の中にも魚釣りのヒントというものは転がっているのかもしれませんね。
まあ、だからと言って、今さら生肉で釣りをしようとは、とても思えないわけですが。