野反湖は、古くからブルーバックレインボーと呼ばれる、青みがかった色のニジマスが自然繁殖していることで有名です。
釣りキチ三平のコバルトマスというエピソードも、この湖をモデルにしているのではないかと推測されます。
そんな古戦場とも言えるような野反湖の釣りを、今回はご紹介しましょう。
野反湖の概要・解禁期間など。
野反湖は群馬県中之条町にあるダム湖です。
標高が1513メートルの山上にあり、周囲は10キロほど、最大水深は25メートルとなっています。
標高の高い湿地帯が沈んでできた湖ですので、独特な美しい景観をしていて、あまりダム湖には見えません。
釣りの対象魚はニジマスとイワナで、中之条町が管理しているようです。
遊漁期間は5月1日~11月10日(イワナのみ9月20日まで)で、日釣り券は大人1,000円となっています。
遊漁券は湖の周りに数ヵ所ある自動販売機で、いつでも購入可能です。
たしか、キャッチアンドリリースが制定されて、自然繁殖のニジマスの数が復活してきているという話を聞いた記憶があったのですが、いつの間にか1日10匹まで魚が持ち帰りが可能になっていました。
やはり、魚を持ち帰る釣りをするのが楽しみな人も居るわけで、町としてはそちらの意見を無視できなかったのでしょうか。
また近年はハコスチという遊漁用の大型のニジマスも放流されているらしく、少し釣り場の性質が変わってきているようです。
野反湖のポイント。
野反湖は、ほぼ一周トレッキングコースで囲まれていて、至る所で釣りができ、至る所が釣りのポイントとなっています。
中でも、禁漁区の沢の下流にあるニシブタワンドは、放流魚も天然魚も数が多いらしく、人気のあるポイントとなっています。
実釣。
昨年、近くに用事があったので、少し野反湖に立ち寄ってみた時の様子をお伝えしましょう。
5月の下旬だった気がしますが、新緑の淡い緑と青い空、どこまでもクリアな水と、かなり景色の良い湖でした。
こんな景色の良い場所で魚が釣れれば最高なのですが、どうもそう甘い場所ではないようです。
駐車場で出会った、かなりトラウトフィッシングをやりこんでいそうな釣り人は、「ヤバイくらい何もおきませんよ」とキブアップ宣言をして帰っていきました。
それからあれこれと手を尽くしてみたのですが、その言葉通りに見事に何も起きません。
フライフィッシングをしている人が居たのですが、いつの間にかリール竿に持ち変えてエサでウキ釣りをしていました。
小さな放流もののようなニジマスが釣れていましたが、フライからエサ釣りに切り替えてしまうくらい渋い状況なのでしょう。
そんなわけで、2・3時間釣りをしただけでは、とても魚が釣れるような雰囲気ではありませんでした。
しかし、私はもう行きたくないとは、決して思わないのです。
とても景色が良いですし、魚があまり釣れないからか、そんなに混んでもいません。稚魚の群れが見られたりと魚も居ないわけではないようです。
ちょっと暇を見つけたら、じっくりのんびり1日湖岸を歩きながら、また釣りをしてみたいなと私は思っています。
「絶対釣るぞ」というようなガツガツとしたタイプの釣り人には向かないかもしれませんが、美しい景色の中でのんびりと釣りをしたい人にはおすすめの釣り場だと思います。