以前、トラウトもバスも釣れる湖で、「そりゃあ釣れないでしょ」という釣りをしている人を見たことがあります。
春先で、水温がおそらくまだ5度もない時期のことです。
私がついさっきまでさんざん腰まで浸かっていた場所に、エンジン全開で沖からボートで突入してくる人が現れました。
その人は、大波を立てながら岸から数メートルほどの場所にボートを止めると、バスプロのように次から次へとロッドを取り出しルアーを変えながら、水深50センチほどの岸際に打ち込んでせわしなく釣りをしているのです。
こんな時期にそんな場所にバスが沢山居るとはとても思えませんし、実際に私が立っていた時には足元に一匹も魚は居ませんでした。
そこに必死に様々なルアーを慌てて投げまくったところで、魚が釣れる確率はほぼゼロでしょう。
やっている本人は真面目なのかもしれませんが、失礼ですが「バカじゃないのかな」と思ってしまうくらい滑稽な姿でした。
どんなジャンルの釣りでも、「それでは釣れないんじゃないか」と思わされるような釣り人は見かけるものですが、バス釣りをしている人には特に多い気がします。
おそらく、本人達としては、ルアーを揃えボートを乗り回し、バスプロなんかの真似をしているつもりなのかもしれませんが、やっていることがズレまくっているのです。
本当に釣りが上手なプロなんかは、ボートでガンガンポイントを回り、様々なルアーを使いまくる中にも、それなりに論理性があり、的確な判断をしているから効率的に魚が釣れるのでしょう。
しかし、こういった釣り人達は、その論理を理解するだけの頭が無いから、ただ釣りのスタイルだけを真似して、的外れな釣りをしてしまうのではないでしょうか。
こういった釣り人が多いということは、バス釣りの世界はとてもメーカーに都合が良くできているのだと思います。
適当に新商品を出して、それで釣ってみせれば、理由も理解できずに真似して買ってしまう人が沢山いるということなのですから。
こうなっているのは、もしかしたらちょっとでも頭が働く人は、そんなバス業界のバカ相手の商売に嫌気が差し、もうバス釣りから離れてしまったからなのかもしれません。
今バスプロのような人に憧れ、それを真似して釣りをやっているのは、選ばれし残ったバカだけであり、その人達のお陰でバス業界は成り立っているということもあるのではないでしょうか。