20年ちょっと前の釣りの本なんかを読んでいると、「東京から福井の九頭竜川まで釣りに行ったのに、ドロドロの大増水で釣りができなかった」なんてことが書いてあることがあります。
そんな時代から少し時間が経った今では、そのような失敗はしにくくなっています。
いつでもリアルタイムに、公開されているライブカメラで川の水位や水色の情報が分かるようになったからです。
河川敷に取り付けられたカメラや水位の情報を見られるサイトは様々なものがありますが、国土交通省の「川の防災情報」というものが一番便利です。
行きたい川の名前や地名を検索すれば、地図上に観測地点が表示され、すぐに水位や川の状況をチェックすることができます。
そのまま地図上で付近の観測地点を探せば、「もっと上流はどうなっているか」なども比較することもできます。
こういったものをマメにチェックしていれば、川の水位だけでなく、天気や水色も分かりますし、場合によってはポイントに釣り人が居るかまで見えてしまうこともあります。
ですから、遠方から釣りに行くにしても、出発の直前でも移動途中でも川の状況は分かるわけで、昔のように着いてから絶望することは、かなり少なくなったはずです。
なんとも便利な時代になったわけですが、ちょっと釣りがつまらなくなったのではないかと、私は思ってしまいます。
いつでも簡単に遠方の川の状況が分かってしまうと、天気や過去の経験から、釣りに良いタイミングを自分で予測するといったことをする必要がなくなってしまったからです。
ちょっと前までは、こういった予測や判断をすることも魚を釣るために必要な作業だったわけですが、便利になり過ぎた現在では、そんな作業の必要性は失われつつあります。
失敗する可能性が減ったのは良いのですが、自分で判断して釣りをする楽しみも減ってしまったのではないでしょうか。
ですから、こういった河川の水位の情報やカメラの映像などは釣りに利用しないというのも、心から釣りを楽しむためには悪くない方法なのかもしれません。
私は、「どうしても外したくない時」以外は、できる限りこういったものは見ないことにしています。