釣り人の生まれ育った環境は、人それぞれだと思います。
大都会で育った人もいれば、毎日熊に会うような山で育った人もいれば、一日のほとんどを海パンで過ごすような海辺で育った人もいるでしょう。
これらの生育環境というものは、はたして釣りの上達や釣果に影響するのでしょうか。
幼児体験は釣りに影響する。
私は、このような釣り人の生育環境は、釣りに大いに影響すると思っています。
技術的なことは、研究や鍛練でいくらでも上達すると思いますが、釣りをする上でもっと大切な「勘」というものは、幼い頃に自然のある場所で育ったかどうかで、かなり違ってくると思います。
たとえば、私は都会でもなく、ど田舎でもない場所で育ちました。
家からちょっと歩くと、どこまでも雑木林が続いているような、「となりのトトロ」程度の自然が身近にある環境でした。
そういった中で土の匂いにまみれて、虫や動物を追いかけて育ったので、生き物の「気配」というものが、なんとなく分かります。
これは、今でも釣りにとても役立っている気がします。
釣りをしている時に、水中が見えなくても、ライズやボイルやもじりが無くても、「そこに居るんじゃないかな」と感覚的に思うことがあります。
そして、そこに実際にルアーなりフライを投げると一発で釣れ、自分でも驚くようなことが何度もありました。
このような生き物の気配を感じとるような「勘」のようなものは、幼い頃から自然に触れて育った方が、身に付きやすいのではないでしょうか。
ある自然写真家は「自然に触れた幼児体験がないとダメだ」というようなことを言っていましたが、これはとても納得のいくことですし、釣りにも同じようなことが言えるのではないでしょうか。
ニュータイプの勘ってやつ。
私は、このような釣りの「勘」や「感覚」で驚くような体験をしたことがあります。
ある時、モンゴル人の有名なガイドと一緒に、夕食後に釣りをしていました。
石を投げて「今、魚が跳ねたよ」と他の人を騙したりするくらい、かなりふざけていたのですが、彼が突然「タイメンが来たよ」と言って真面目な顔になりました。
夕マズメで光線も弱く水中はまったく見えませんし、水深がある大きな川なので魚が泳ぐ波紋なども全く見えません。
しかし、さっきまで石を投げて騙されていた人に、「こっちだ」と指示をすると、本当に1メートル以上の魚がすぐに釣れてしまいました。
彼と一緒にいると、こんなことが一度や二度ではないのです。
もう彼は、感覚的に大きな魚が居るのが分かっているとしか思えません。
彼のこの能力は、機動戦士ガンダムで言うところのニュータイプのようなものだと思います。
彼は、日本人の我々とは比べものにならないくらいの自然体験をして育ったはずであり、それが彼の能力を開花させたのではないでしょうか。
トトロレベルの場所で育った私にそんな能力を身に付けるのは、とうてい無理そうなので、素直に「凄いなぁ、魚が来たら教えてくれ」と頼んでおくしかありません。
というわけで、生育環境は釣りに大いに影響することは間違いないのでしょうか。
みなさんの周りの人も、自然体験が豊富な人ほど釣りまくる気がしませんか?
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