オールドリールが売りに出されている時に、「フットナンバーは…」と製造番号が明記されていることが少なくありません。
それだけ、オールドリールを欲しがるような人の中には、フットナンバーを気にする人が多いということなのでしょうが、私はあまり気にせずに買っています。
フットナンバーが分かったからって、魚が釣れるのか?
リールのフットナンバーから分かるのは、製造年月でしょう。
製造年月が分かれば、マニアックな人になら、細かな部品の仕様の違いや、製造数などのレア度が分かるはずです。
しかし、そんなことが分かったからと言って魚が釣れるのでしょうか?
リールを魚を釣る道具として考えるならば、どうでもよすぎる情報でしかありません。
部品の交換や修理が必要になった時には、多少は役立つかもしれませんが、それは魚を釣った後の話です。
私は、どんなに貴重な古いリールでも、それを自分が所有するのならば、実際に使って魚を釣らなければ何の意味もないと思っています。
リールは魚を釣るために生み出されたのですから、魚と闘わなければ、生まれてきた意味がないのではないでしょうか。
おそらく、フットナンバーを細かく気にする人は、魚を釣るよりも収集がメインのような人が多いのではないでしょうか。
アングラーではなくコレクターなのではないでしょうか。
それも一つの趣味であるとは言えますが、そういった人の手に渡ってしまったリールは、魚を釣るという本来の目的を果たせなくなってしまうわけですから、ちょっと不幸なのではないかと、私は思ってしまいます。
でも、やっぱり気になる。
とは言っても、私もちょっとはリールのフットナンバーが気になってしまいます。
製造年月や販売場所が分かれば、「世界のどこで、どのような時代に、どんな魚を釣ることに使われてきたのだろうか」と想像して楽しむことができるからです。
そして、そのようなリールの記憶に、自分が魚を釣りさらに新たな歴史を積み重ねていく、そんな釣りの楽しみ方ができるからです。
このようにして考えてみれば、オールドリールのフットナンバーは、コレクターではなくアングラーならば、気にする必要はないのでしょうが、時にはロマンを掻き立てくれることもあるので、一応見ておいても良いものとも言えるのかもしれません。