今年のお盆に、千葉の亀山湖のバス釣りの様子をテレビで見ていたら、釣れてくる魚達が痩せていたので、「エサが足りないんじゃないか」と私が独り言のように言っていると、「どうせ釣るなら、エサをやって逃がせば良いのに」と横から母が言ってきました。
確かに釣りは、バスからしてみたら、飢え気味な状態で、やっとエサに食いつけたと思ったら、針のいくつもついた偽物で、釣られまいと抵抗して体力を奪われ、結局は口を掴まれ持ち上げられ、その後に湖に帰されるという、損しかないような話です。
餌でも与えて、少しでも魚にも釣られるメリットを作ってあげないと、可哀想な気がしてきます。
しかし、釣った魚に餌をやるというのは、かなり難易度の高いことなのではないでしょうか。
養殖魚や池のコイやフナのような魚なら、エサをばら蒔けば食べてくれるかもしれませんが、釣られた直後のパニック状態の魚がエサを食べるなんてことは、滅多にないはずで、相当豪華なエサを目の前にチラつかせたところで、到底食いつくとは思えません。
もう、フライのストマックポンプの逆バージョンにして、直接胃の中にエサを送り込むくらいしか方法はないのではないでしょうか。
それにしたって、かえって魚体に負担がかかって、悪影響を及ぼす可能性もあるかもしれません。
こう考えてみると、キャッチアンドリリースをするにしても、釣りというものは、魚達からしたら何の良いこともなく迷惑極まりない話でしかないことを、再確認させられます。
冒頭に登場したうちの母は、昔から釣りに対してあまり良い行いだとは思っていないようで、時々こういったことを言うのですが、「おっしゃる通りです」と私はいつもただただ同意することしかできないでいます。