魚がスレるとは、繰り返し釣られたり、仕掛けやルアーやフライなどを投げ込まれ続けることにより魚が神経質になり、反応が悪くなり釣りづらくなった状態のことを言います。
日本中どこの釣り場でも、だいたいは釣り人が多すぎる状況ですので、特に魚の入れ替わりの少ない内水面では、魚がスレていない場所の方が少ないくらいかもしれません。
そんな中でも、どういった場所なら魚が少しでもスレていないかということについて、今回は考えてみたいと思います。
広い釣り場ほどスレにくい?
まず、渓流と本流では、どちらの方が魚がスレ易いのか考えてみましょう。
これは間違いなく渓流なのではないでしょうか。
小さな川ほど人のプレッシャーがかかりやすく、釣り針と魚が遭遇する可能性も高くなります。
一度釣られてリリースされた魚がいたとしても、あまり逃げたり隠れたりすることもできずに、休む間もなく目の前に、また釣り針が現れるはずで、魚は神経質になりスレてしまうでしょう。
つまり、釣り人が多く小さい川ほど魚はスレやすいと言えるのではないでしょうか。
これは小さな池と湖を比べても同じようなことが言えて、釣り人が多く小さな池ほど魚はスレ易いはずです。
このように考えてみると、大きな川や湖ほど魚はスレにくいと言えるかもしれません。
しかし、それだけ釣り場の水の体積が大きく、釣り針と魚が遭遇しにくいわけですから、スレにくいとは言え、一概に釣り易いとは言えないと思います。
琵琶湖のバス。
世界記録のラージマウスバスというのは、日本の琵琶湖で釣られています。
その生息の是非の話は今回は置いておいて、琵琶湖がそんな日本有数のバス釣り場になったのは、様々な要因があるでしょうが、その面積によるところも大きいとも言われています。
琵琶湖は結構大きくて広い湖ですから、一度釣られた魚は、どこか人の手の届かない場所で体を休めることができ、何度も釣られ続けてスレたり、弱ったり、死んだりすることがなく、大きく育つことができたのではないかと言われています。
そんな琵琶湖は日本一の大きさの湖ですが、世界的には決して大きい湖ではありません。海外の大きな湖と比べてみると、琵琶湖は野池のようなサイズだったりします。
そう考えてみると、日本には釣りのプレッシャーに耐えうるだけの広さがある湖は、琵琶湖くらいしかないのかもしれません。
もしかしたら沢山の人が湖で釣りをするのなら、本当は琵琶湖くらいが最低限のサイズなのではないかと、私は思います。
このように釣り場の広さと魚のスレにくさを考えてみると、釣り人が毎日沢山訪れても魚が過剰にスレないだけの面積を持った釣り場が、この国にはろくになく、完全に釣り人過多の状況になっているのではないかと思えてきます。
この国に琵琶湖サイズの池を何個も釣りのために作るということは不可能でしょうから、今後もこの国の釣り人が多過ぎる状況は続いていき、魚はスレ続けたままなのでしょう。