魚というものは、それなりに人の気配に敏感なようです。
例えば、朝マズメと呼ばれる夜明け前後は、よく魚が釣れるものですが、有名な釣り場などで夜明け前から沢山の人が張り切って釣りをしているような状態だと、どうにも魚からの反応が悪くなることがあります。
そういった釣り場には、沢山の釣り人が釣り場に乗り込んでくる時の車のエンジン音、ドアの開閉音、しゃべり声、足音、キャスト音など、魚が不自然だと感じそうなものが溢れていますから、魚が神経質になるのも無理はないと思います。
ところが、こうした「ベストタイムのはずなのに沈黙状態」といった時間が過ぎ、諦めて移動したり帰る人が出てきた真っ昼間になって、急に魚が釣れるなんてことがよくあります。
トラウトの仲間なんかを釣っていると、晴れた日の真っ昼間のポカーンとした状態では、ろくに釣れる気もしませんし、早朝から釣りをしていた人が諦めるのは、当然なことだと思います。
しかし、そうして誰もいなくなった途端に、急に魚が反応しだすことがあるのです。
魚達からしてみれば、とにかく人の多い雰囲気が嫌だっただけで、それさえなくなれば、多少おかしな時間でもやる気満々だったのでしょうか。
こういったことを経験すると、釣り人があまりに多い時は、そこまで朝マズメや夕マズメなどのプライムタイムにこだわる必要はなく、とにかく人が居なくなる時間に釣りをした方が良いのかもしれないと、思えてきます。
ただし、狙い過ぎると、釣り人は居ないが魚もやる気が全くないというような、絶望的な時間にハマってしまいそうですから、注意も必要でしょうか。