北海道の大きな川で釣りをしていて、ちょっと疲れたし休憩でもしようかと思い、リールをカリカリと鳴らして下流に流れきったラインを回収していた時のことです。
ふいにクイクイと魚信がロッドに伝わってきたので、そのまま巻き続けていると、掛かった魚が左右に勢いよく走り始めました。
こんなにスピーディーな動きをする魚は、一種類しかいません。
北海道の川で釣ってはいけない「あの魚」ですから、そのまま強引に巻き続けると、姿が見えたあたりで無事にバレて逃げていきました。
それにしても、サクラマスがこんなに簡単に釣れてしまうとは、なんだかがっかりしてしまいますね。
私は、本州の川でサクラマスを釣るのに苦労した経験が少しはありますし、そんな魚が回収ヒットしてしまうと、あの苦労はなんだったのだろうか？とバカらしくなってきてしまいます。
サクラマスをフライで釣るためには、どうスイングさせるのが良いとか、あれこれと昔から言われているわけですが、魚が沢山居る川でなら、ラインをリールで回収して流れと真逆に引っぱっているだけでも釣れてしまうわけです。
魚が釣りたい時には、その魚がいなくてろくに釣れず、釣りたくもない時には、川に溢れていて掛かってしまうとは、なんとも皮肉なものではないでしょうか。
まあ、釣りなんて往々にしてこんなものなわけですから、やはりあまり真剣に蘊蓄を垂れ過ぎるのは、アホらしいことなのかもしれませんね。
細かな事にこだわって、どんなロッドが良いとか、どんなリールが良いとか、こうやって釣るのだとか、散々語ったところで、釣れない魚は釣れないし、釣りたくもなくても釣れる魚もいるわけですから。
釣りなんて、あまり難しいことを解説し過ぎても恥をかくだけかもしれないですから、適当にやる程度で良いのではないでしょうか。
