釣りにゃんだろう

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サクラマス釣りブームとは、何だったのか?

近頃は、少し下火になりつつあるようですが、ひと昔前は本州の川でサクラマスを狙う釣りが、軽くブームになっていました。
滅多に魚の釣れないような釣りなのに、あれほど人気を集めたのは、なぜだったのでしょうか?


新しい釣りを流行らせれば、釣り具が売れる。

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サクラマス釣りが流行ったのは、やはり釣り具メーカーやメディアによって「流行らされた」という点が大きかった気がします。

バス釣りが下火になったら、管理釣り場の釣りを流行らせるというように、一つのジャンルの釣り具が売れなくなったら、他の種類の釣りを流行らせて物を売るというのは、釣り具業界の常套手段です。

そういった目線で目をつけられたのが、サクラマスだったのではないでしょうか。
元々トラウトフィッシングをしていた人達は、渓流用の道具しか持っていない人が多く、サクラマスを釣るような道具を持っていないことが少なくなかったはずです。

そこで、サクラマス釣りを流行らせば、専用のルアーロッド、ダブルハンドのフライロッド、ちょっと大きいリール、大きなネット、サクラマス用のルアー、などなど、次から次へと物を売ることができます。

加えて、本州のサクラマスは数が少なく、釣り場も限られているため稀少性があり、釣り人の「釣ってみたい」という気持ちを煽るには十分な魚です。
しかも、釣り人は魚が釣れないと余計に釣り具を買ってしまう生き物ですから、なかなか釣れないサクラマスは、釣り具を売るには最高の魚でしょう。

そんなわけで、釣り具業界は、サクラマスを祀り上げ、サクラマス釣りを流行らせ、それに乗せられた釣り人は、必死でお金を使い釣り具を買い続け、魚のろくに居ない川に通い続けたのでしょう。


ちょっと冷静になって考えてみよう。

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そんな風にサクラマスブームの波に乗せられてしまった結構な数の人達がいたようですが、ちょっと冷静になって考えてみると、サクラマスってそんなに必死になって釣るほどの魚なのでしょうか。

まず、たいして大きいわけでもありません。
トラウト・サーモンの仲間の中には、80センチ~1メートル以上になるものがいくらでもいるわけで、サクラマスは小型の魚でしょう。

さらに、特別綺麗な魚でもありません。
水の中を泳いでいれば、銀ぴかで綺麗かもしれませんが、釣ると鱗が剥げやすく、ボロボロになってしまいます。
サクラマス釣りの写真は、ボロボロの魚を持って笑っている釣り人の写真が多く、なんとも趣味が悪いものに見えます。

 

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それから、実際には稀少な魚でもありません。
本州では数が少ないのかもしれませんが、北海道では釣りたくなくても釣れてしまうような魚です。
海外でもなく、ほんの数時間で行ける場所に、ボラのように普通に居る魚なのです。

 

 

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釣り人が、どんな釣りが好きで、どんな釣りに価値を見出すかは、個人の自由であり、その価値観は誰にも否定できないものでしょう。
しかし、それにしても、このサクラマス釣りというものは、ちょっと異常なのではないでしょうか。

冷静に考えてみればそんなに大したことのない魚を釣るために、釣り具業界に莫大なお金を搾取される、妙な釣りである気がします。

本州の川でのサクラマス釣りというのは、究極の商業主義的な釣りであると、私は思います。
そんな釣りなのですから、そろそろ目が覚めて、バカらしくなって辞める人も増えてきたのかもしれませんね。