釣りにゃんだろう

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タイメンとイトウ

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私が日頃良くお世話になっている、この二種類の魚について、釣り人目線で簡単に比べてみた。
釣りをしない人からすれば、同じようなものかもしれないが、釣り人目線で見てみると、かなり違うものだ。

 

見た目の違い。

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まず体型が違う。

どちらも1メートル以下だと細長い魚だが、タイメンの方がより細長い。
タイメンの方が流れの強い川に住んでいることが多いからだろうか。
ただ、どちらも1メートルを越えてくると、急激に太くなってくる。

 

体色も違う。

タイメンは基本的には茶色っぽいが、120センチ前後になると、黒紫のような色に変わる。
また、婚姻色でなくても、いつでも尾鰭が真っ赤なののも、イトウとは違う。

イトウの色は多彩だ。
黒系、茶色系、緑系など、生息環境によって違うらしい。
同じ釣り場でも、色が違う魚が釣れるので、居つきか回遊性かなどの生活形態でも、違ってくるのかもしれない。

 

模様も違う。

イトウは、全身に綺麗な真円の水玉模様が散りばめられていることが多いが、タイメンは鰓蓋あたりは真円の水玉模様で、ボディは楕円形の模様になっている。

この楕円形の部分が、なんだか雑な印象を受けるので、私はイトウの模様の方が美しいと思う。


生態の違い。

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大きな違いとして、イトウは海に下ることがあるという点がある。

近年はこの観点から、イトウと、海に下らないタイメン(アムールイトウ)やフッヘェン(ダニューブイトウ)などは、ハッキリと区別して、違う種類とする動きもあるようだ。

この考え方からすれば、海に下るからイトウであって、ダム湖のものは、陸封型イトウという、ちょっと別物になるのだろうか。

この認識が広まれば、湖でサクラマスを釣ったからと言って、「サクラマスを釣ったことがある」という釣り人はいないように、ダム湖でイトウを釣っても、イトウを釣ったとは言えない日が来るのかもしれない。


サイズの違い。

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どちらも2メートルくらいの記録は残っているのだし、環境が整えさえすれば、同じくらいに大きくなるのだろう。

実際に現在釣れるサイズとしては、イトウの120センチはごく稀に釣られる程度だが、タイメンの120センチは年に何本も釣られている。

この感覚からいくと、タイメンはイトウの20センチアップを基準に考えるくらいが良さそうだ。
だから、120センチのタイメンが、100センチくらいのイトウと同じくらいの希少さで、140センチのタイメンを釣れば、120センチのイトウを釣ったことと同じような価値があると言える。

 

釣りの難易度の違い。

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絶滅危惧の度合いを表す分類では、タイメンの方がイトウよりも、一段階緩く分類されている。

しかし、実際に釣りをする上での感覚では、同じようなものだという感じだろうか。
どちらも「まずは一日一匹」といった目標で釣りをして、運が良ければ、一日で3、4本、それ以上と釣れることもある。

 

引きの違い。

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見た目は似ているが、釣り味は結構違う。

イトウは、ゴンゴンと首を振ったり、のんびりと力強い感じだ。

タイメンは、急流に住んでいるためか、ギュンギュンと走るし、エラ洗いやジャンプをすることもあるし、川の流れも強いので、忙しない釣りになる。
大型になると、人間に思いっきり引っ張られているくらいの力を感じ、それを流れに乗られないように、多少強引に止めたりもしなければならない。

釣りが好きな人は、よくファイトする魚の方が好きな人も多いだろうが、私はこのタイメンとのファイトが、結構めんどくさく感じることがある。
それと比べると、イトウとのファイトは、どこか癒し系で、魚が可愛らしく見えてくる。

 

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このように釣り人目線から見てみると、結構違いがあるものだが、どちらも同じように、いつ絶滅するか分からないものなので、まだ釣っていなくて釣ってみたい方は、早いにうちに釣りに行った方が良いということは、共通して言えることかもしれない。
今ならまだ間に合うし、いくらでも釣れるものなのだから。