PENNは、アメリカのフィラデルフィアに移住したドイツ人のオットー・ヘンツェが、1932年に設立したリールメーカーです。
この人が大物志向の釣り人だったらしく、頑丈なリールを作るメーカーを目指していたようです。
現在では、ピュアフィッシングの傘下に入っていますが、少しだけ個性的なリールを作り続けています。
スピンフィッシャー650SSmは、2005年ごろに発売されたリールです。
このリールは、私の持っているリールの中では、最新のモデルであり、自分の中では最強のリールです。
あんまり古いリールを使っていると、人に心配される時があるので、心配されない程度に新しく、それでいて個性的な物はないかと、探した結果、このリールを手にすることになりました。
古いリールで人に心配をされる話↓
筋トレが出来るほど重厚なフルメタルボディ。
中国製の安物リールなのですが、フルメタルボディでがっしりしていて、それほど安物には感じません。
この重さと、質感、曲線的なボディは、ちょっとオールドリールっぽくもあります。
私は、家に届くとすぐに「せっかく貼ってくれた中国の工場のおばちゃんゴメンネー」と思いながら、スプールとボディの安っぽいシールを全て剥がしてしまいました。
こうしてみると、さらに重厚な雰囲気になります。
見た目が古っぽいだけでなく、このリールはスピンフィッシャーの以前の古いモデルのスプールをそのまま使えます。
古いスプールはとても安く手に入りますので、スペアスプールをいくつも用意できて便利です。
外蹴りってなんだ?!
私は大人になるまで、こういった外蹴りのリールを見たことがありませんでした。このリールで、初めて実際に手にしました。
外蹴りとは、主に初期のアウトスプールのスピニングリールに使われていた、ベールの付根がリールの脚にある突起にぶつかり、ベールを返す機構です。
この旧世紀の機構を、2000年代のモデルでも使ってしまうなんて、PENNというメーカーの頑固さを感じます。
見た目は不恰好ですが、実際に使ってみると特に不自由はありません。逆にちょっとラッキーなことがありました。
このリールは、ワンウェイクラッチを使った瞬間逆転防止機構を採用していて、逆転防止のオンオフの機能は、省略されています。
また、ベールを開いた時にローターが固定される、ローターブレーキも備わっていません。
このようなリールで、キャストする時に、ローターが動いてしまうと、フェザリングの邪魔になる可能性があります。
しかし、このリールには、外蹴りの突起が脚にあります。
脚のやや右という、正しい位置でベールを返せば、ローターは右には逆転防止機構のため動かず、左には突起のために動けません。つまりローターブレーキがなくても、外蹴りの突起のお陰で、ローターが動かないのです。
こう考えてみると、見た目は不恰好でも、外蹴りで良かったのかもしれないとなんとか思えてきます。
シンプルで頑丈そうなこのリールですが、実はまだ魚を釣ったことがありません。
このリールは、オークションで新品を買ったのですが、譲ってくれた人は「この格好良いリールで、是非たくさん大きな魚を釣ってください」と、粋なメッセージをくれました。
そろそろ、その言葉に答えられるような場面が近づいてきてはいるのですが、さて、どうなることでしょうか。おもしろいエピソードが生まれれば、ここに書いてみたいと思っているのですが。
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