イトウ釣りに興味のある方は、当然ご存知だと思うが、イトウは日本にだけ生息しているわけではない。
今回は、サハリンでの釣りの可能性について考えてみた。
イトウの生息域は、北海道、南千島、サハリン、シベリア東部となっている。
この中で、北海道以外の釣り場を考えた時に、南千島の島々は、肉眼で見える距離だが、北方領土であるからして、行くのがめんどくさい。しかし、サハリンは稚内から船が出ているような、とても身近な土地だ。
身近とは言っても、ロシアに入国するためには、ビザを取得するのが、かなり煩わしいものだった。
しかし、近年、極東地域のビザ取得の緩和の動きがあり、この問題も少しずつ良い方向に向かっていきそうだ。
さて、肝心の釣りの方だけれども、『Сахалин рыбалка』(サハリン、釣り)とYouTubeで検索すると、無数に動画を見つけることができる。
私は、ツンドラの泥に車が埋まって動けなくなったり、戦車のような乗り物で移動する、ロシアの釣り動画を見るのが好きなので、サハリンの動画もよく見ているのだが、なかなか興味深い。
何日もかけて、川を船で下りながら釣りをしている動画などを見ると、色々な魚が釣れている。
それも、ウグイやアメマスやサクラマスが釣れていたりして、日本の北海道のようだ。
ただし、カラフトマスが歩いて渡れるほど居たりと、川の環境は自然そのもののようで、北海道とは比べようにならないようだ。
そして、たまにイトウも釣れている。
銀白のボディに黒い水玉模様の魚は、間違いなくタイメンではなく、日本にいるイトウと同じである。
けれども、川の良い雰囲気とは対照的に、あまり大きなイトウが釣れているのを、あまり見かけないのである。
いくら環境が良さそうでも、これではなかなか「行ってみたい」と、冒険心に火が着かないのであった。
そんな中、去年の年末あたりに暇を持て余し、本屋で釣り雑誌を立ち読みしていると、サハリンのイトウ釣りの記事があった。
大きな川の河口の汽水域で、船からイトウを狙うガイドサービスが行われているらしく、けっこうな釣果が上がっていた。
イメージ的には、天塩川の河口に船を浮かべて釣るようなものだろうか。
海と川を行来している大型が狙えるようで、メーターオーバーが20本釣れ、120センチ程度が最大だったという。
バカみたいに高い雑誌だったし、他の記事に用はなかったから、買わなかったので、あいまいな記憶を頼りに思い出してみると、こんな内容であった。
この120センチというのが、また微妙なサイズである。日本でも不可能ではないかもしれないが、なかなか釣れないサイズだろう。
しかし、船から釣るというのは、私にとっては、大きなマイナスポイントだ。魚を船に上げてしまうので、魚の綺麗な写真が撮れないし、釣り自体もあまり面白くない。実際に雑誌の魚の写真も、全く魅力的ではなかった。
そんなわけで、「絶対に行きたい!」とは思わないものの、ジワジワと気になってきているのがサハリンのイトウ釣りである。
それにしても、北海道のすぐ上の島で、このような釣りができるのならば、北海道でガイドにお金を払って、小さなイトウを釣るというのは、ますますバカらしい事になってきたと、言えるのではないだろうか。
Gijie(2017 AUTUMN/WIN) 総力特集:鱒とハンドクラフト5 スプーニング最前線! (GEIBUN MOOKS)
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > ホビー・スポーツ・美術 > 登山・アウトドア・釣り
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 2,160円