よくルアーをどれくらいの早さで泳がすか、リトリーブするかという説明の時に、「1秒間にハンドルを○回転」などと説明する人がいますが、あれは少しおかしいと思います。
何の説明にもなっていない。
リールというものは、機種ごとにスプール径やギア比が違い、ハンドル1回転で巻ける長さが違うものです。
極端な例では、私が使っているような古いリールと、現代のエクストラハイギアのリールでは、2倍くらいハンドル1回転で巻き取れる長さが違います。
そこまでの違いはなくても、同じシリーズ同じサイズのリールでも、ノーマルギアの物とハイギアの物では、結構巻き取れる長さは違うはずです。
ですから、1秒間にハンドル○回転などと言われても、使っているリールによってルアーの動く距離やスピードはかなり変わってくるはずであり、何の説明にもなっていないのです。
このような説明してしまう人にも問題がありますし、それで解ったと思ってしまう人にも問題があることでしょう。
ですから、もし正確にリトリーブ速度を伝えたいのだったら、「1秒間に何センチ動かす」と説明するしかなく、聞いた側は、その長さを動かすには自分のリールではハンドルをどれくらい回せばいいのか計算しなくてはなりません。
しかし、ここまで説明する人はあまりいませんし、自分のリールがハンドル1回転でどれだけラインが巻き取れているか知らない人さえ居ます。
それでも、困ることなく皆さん普通に魚は釣れているものですので、そもそも釣りというのは、結構大雑把で適当なものなのかもしれません。
というわけなので、よく帽子を被ってサングラスを掛けた肥満体系のおじさんなどが、何だかそれっぽく釣り方などについて説明している場面を雑誌やテレビや動画でよく見かけるわけですが、ああいったものは、そもそもこのリーリングスピードの話のように、実は何の説明にもなっていないようなこともありますし、そもそも釣りはそんな細かいことを気にしなくても釣れてしまうものなのかもしれません。
釣果というものは運に左右されることが多いわけですが、釣り人はそれをどうしても実力で釣ったことにしたいようなところがあるのかもしれません。
ですから、何かと色々と細かいことを語りたがるわけでしょう。
そういったことを真面目に聞いて参考にするのも良いのかもしれませんが、「なんか言ってるな。そんなことしなくても釣れんのに」と聞き流しても、あまり問題はないのかもしれません。