ヤマメなどが釣れる渓流には、里川と呼ばれるタイプの釣り場があります。
住宅や畑などがある中を流れていて、穏やかな雰囲気の場所です。
春先に水温が上がりやすいので早期から良い釣りができたり、落差がないので歩くのが楽チンだったりと、里川での釣りを好む人が居るようですが、私はどうも苦手ですね。
なぜなら、「里」と言うだけあって、人間の気配が濃厚だからです。
里川では、釣りをしていると、土手や橋の上を人や車が行き交います。
なんだか見られているような気がして、ちっとも落ち着いて釣りができません。
さらに、川の周りの畑では、作業をしている人達がいたりします。
せっせと働いている人がいる真横で釣りをして遊んでいるのは、何だか申し訳ない気がしてきますし、釣りを純粋に楽しめなくなってしまいます。
特に作業をしている人達が忙しそうにしている時は、釣りなんかしてないで手伝った方が良い気がしてきてしまいますし、もう釣りなんてしている気分ではありません。
これは、私がいくらか農作業を手伝ってきた経験があるせいなのかもしれませんが、とにかく忙しそうにしている畑の横で呑気に釣りをするというのは、落ち着かなくて仕方がないのです。
ここまで敏感ではなくても、釣りをしている至近距離に人の営みがある里川での釣りが苦手な人は、結構居るのではないでしょうか。
そういった人達は、河原が広く周囲の家や畑ともう少し距離のある大きな川とか、人家が無くなる山奥とかで釣りをするのが好きなはずです。
このように、同じような魚を釣るにも、好みの場所は人それぞれのようで、釣り人というものは、なんとも注文が多い生き物のようですね。