釣りにゃんだろう

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リールのサイズの話。大きなリールには夢がある?

近頃は、1500cや2500cといった小さなサイズのモデルのアブのアンバサダーが一部の釣り人達から人気があり、取引価格が高騰しているようです。

どういった人達に人気があり、こういった現象が起きているのかと考えてみますと、「クラシックな外観のアンバサダーは使用したいが、軽いルアーや細いラインを使いたい」という人達なのだと思います。

 

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アンバサダーには、様々なサイズがあります。
それぞれに適正なキャスティングウェイトがあり、大きなサイズほど、軽く小さなルアーは扱いづらくなります。

ですから、昔は標準的なサイズであった5000番クラスでは、14グラム以上くらいが気持ちよく飛ばせるウェイトであり、今時多用される数グラムのルアーは、キャストが難しく飛距離が出せないため、1500や2500といった小型のモデルを使いたいという人達がいるわけです。
そして、そういった小型のモデルは、昔は一般的ではなかったので作られた期間が短く生産台数が少なく、それを欲しがる人が増えたため、価格が高騰しているというわけです。

 

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これは、なんだかショボい話だなぁ、と私は思ってしまいます。

軽いルアーや細いラインを使って、今時のスタイルの釣りをしたいのだったら、今時のリールを使った方が便利ですし、ずっとしっくりくるのではないでしょうか。

古いリールを使って魚を釣りたいというこだわりがあるのだったら、釣りのスタイルや対象魚にもこだわって、今時の釣りをしなくてもよい場所や魚を探すべきでしょう。

そこを、スプールなどのパーツを交換などしてまで古いリールを使い、なんとか今時の釣りをしようというのは、なんとも中途半端な姿勢だと思います。

オールドリールは、本来はせこせことした今時の釣りのために作られたものではありませんし、どーんと構えて現在では大きめとされるルアーを投げて、どーんと大きな魚を狙うべきなのではないでしょうか。

 

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本当がどうかは分かりませんが、開高健は5000番より小さなサイズのアンバサダーは使わなかったそうです。
今から何十年も前のその時代ですら、釣りの効率を重視するならもう少し小さいサイズのアンバサダーを使った方が良さそうな状況はあったはずです。

それでも、開高氏が小さなアンバサダーを使わなかったのは、常に「大きなリールと大きなルアーで、大きな魚を釣りたい」という理想を捨てなかったからではないでしょうか。

このことと比べると、時代や環境が変わったとは言え、現在の小さなアンバサダーでせこせことした釣りをする人達は、なんとも志が低く、ロマンに欠け、夢のない釣り人達だと思います。

そういったタイプの人達には、今時のロープロファイルのベイトリールの方が、ずっとお似合いですし、ずっと魚もよく釣れると思うのですが。

これからも、夢のない釣り人達に、小さなアンバサダー達は買い漁られ、ちょっと異常とも思える高値は続いていくのでしょうか。
本当に日本の釣りというものは心が貧しいと、こういった現象を見ていても思わざるをえません。