釣り人というものは、釣りをしない世間一般の人間からしてみたら、かなり迷惑な存在であることが多いです。
それは、ゴミを捨てる、違法駐車をする、立入り禁止の場所に侵入する、日夜騒ぐ、などなどの数々の迷惑行為をはたらく釣り人が多いからです。
今回は、そんな釣り人の迷惑行為の中でも、意外と釣り人自身が気づきにくいものをご紹介しましょう。
魚をくれる釣り人。
トップレベルで他人がとても迷惑する釣り人の行為として、「魚が沢山釣れたからあげます」と言って他人に配る行為があります。
受け取った人が無類の魚好きで料理好きだったら良いのですが、基本的には生臭い魚を押し付けられた人は困っているはずです。
臭いし、料理しなくてはならないし、早めに食べなくてはならないし、魚というものは貰って困る物の王様なのではないでしょうか。
泥や虫だらけの野菜なども貰うと手間がかかり少し困るものですが、魚と比べたらずっとマシでしょう。
しかも、わざわざくれるものなのですから、相当親しい仲でもなければ「魚なんていらねぇよ」なんて言えるわけもなく、顔をひきつらせながら「ありがとうございます」と言うことしかできないのです。
魚をあげた釣り人側も、悪意は全くなく、「魚も釣れて、人にあげられて良かったな。来週もたくさん釣るぞ」なんて無邪気に思っていたりします。
もう救いようの無い地獄であり、改めて人間関係というものは煩わしいものだと思わざるを得ません。
魚がたくさん釣れた時、釣り人はどうするべきか。
自分が良かれと思ってしたことでも、相手は迷惑していることがある、ということを、まず釣り人は思い出すべきでしょう。
その上で、魚が沢山釣れたとしても、本当に魚が大好きで食べたがっている人以外には、絶対にあげてはいけません。
魚を食べるのが好きな人というのは、意外と世の中には居ないものです。
魚が好きと言っても、養殖のアトランティックサーモンのことだったりする人も多く、日本の海や川で釣れる魚は受け付けない人だって沢山います。
それから、食べるのが大丈夫でも、自分で調理をするのが嫌いな人もいます。
私も、釣りが好きで魚を食べるのも嫌いではありませんが、実は魚の匂いがあまり好きではないので、魚にはできる限り触りたくありません。
このような独特な匂いや煩わしさを考えたら、相当好きでないと魚を調理はしたくないものでしょう。
ですから、魚をあげるとしても、できる限り下処理や調理を行って、すぐに食べられるようにしてあげるべきでしょう。
自分で釣った魚は自分で処理するのは、釣り人の最低限のマナーだと思います。
そもそも、そんなに魚を釣らなければ良いのでは。
そもそも欲しがってもいない他人に押し付けなければならないほど、魚を沢山釣らなければ良いと思うのは私だけでしょうか。
釣った魚が食べたいのなら、自分が必要な分だけ釣って、後はリリースするか、その日は釣りをやめればよいだけの話ではないでしょうか。
よく一部の漁師や釣り人のことを、「足し算や引き算もできない人々」と揶揄する言葉があります。
その時、獲れるなら獲れるだけ獲り、釣れるなら釣れるだけ釣ってしまい、後から「最近、魚がいなくなった」などと言う人々がいるからです。
水産資源は多少は自然に回復するものですが、魚を一匹獲れば確実に一匹は減るものなのです。こういったことを理解していないように獲ったり釣ったりしているので、「足し算引き算もできない」と言われてしまうのです。
人間が好きなだけ獲っても、それを上回るだけの生産力が自然にあったのは、大昔のことなのではないのでしょうか。
今はもうそうなるには、人間は多すぎるし、魚は少なすぎるし、自然は弱りすぎているし、魚を獲る技術が発展しすぎています。
ですから、釣り人もどんな釣りでも最低限の魚をキープするくらいの気持ちで、今の時代はちょうど良いのではないでしょうか。
そうすれば、他人に魚をあげるなどという最悪の迷惑行為を行う必要もなくなるのですから。