近頃は、あまりあちこち動き回ってはいけないという時世になってしまったので、私も冬の間からあれこれと準備し予定していた釣りにも行けずに、無駄に室内トレーニングばかりこなす日々となっております。
この事態が続けば、マグロでも釣れるような身体になってしまうかもしれません。
それでも、本格的に世の中が大騒ぎになる前の段階の、まだ春と呼ぶには寒く、川の氷が溶けだすころには、ろくに人に会うこともなく釣りしかすることのないような恵まれた環境に居ましたので、それなりに釣りはできていたのでした。
まずは、まだ雪代で濁りきった水の中からでも果敢に飛び出してきて、春の訪れを感じさせてくれるアメマス釣り。
もう「ごめんなさい」と魚に謝りたくなってくるほど釣れ続け、数日で飽きてしまいそうになるのですが、時折60センチ以上の魚も姿を現すので、ついつい川に通ってしまいます。
そうこうするうちに、イトウも釣れてしまいました。
「これで今年のイトウが終わりだったら、ちょっと寂しいなぁ」といったサイズですが、まだ冬のような下流部とは言え、イトウを釣るにはあまり誉められた時期ではないので、まあ仕方ないでしょうか。
そろそろ雰囲気の違う場所で釣りがしたいと、場所を少し変えて試してみれば、怪物のような顔をした60センチオーバーのニジマスが掛かり、強い流れに乗られまいと引っ張り合いの激闘に。
ティペットにルアー用の20ポンドラインを使っていたので、そう簡単には切られないだろうと、フックが伸びないようにだけ気をつけつつ、強引な綱引きファイトに持ち込むと、さすがに魚もギブアップ。
それでも、やはり野生のニジマスのパワーは強烈で、もう一回り大きくなったらこの作戦は使えなくなり、ドラグを活用しなければならなくなる感じでした。
そうこうするうちに、全国的に例のあれが大騒ぎになってきて、日頃から人との接触がほとんどないような私でさえ、自由に移動はできず家に籠らなければならない雰囲気になり、まだこれからが春本番だというような時期で、今年の春の釣りは終了ということになってしまいました。
まあまあ良い釣りはできたと言ってもよいのかもしれませんが、冬の間に自分の頭に描いていた今年の春の釣りの予定と比べたら、魚のサイズも種類も釣行場所も回数も遠く及ばないものとなってしまいました。
しかし、まあ、例のあれが、世界中の経済活動を鈍化させ人口を減らすものだとすれば、地球の環境問題という面では、そんなに悪いものだとは私には思えないのです。
私にも感染したらほぼ死ぬような持病のある家族がいますし、あれを応援するほど歓迎しているわけではありませんが、大袈裟に騒いで忌み嫌う必要も感じていませんので、敵でも味方でもないといった感じでしょうか。
それにしたって、わざわざ拡散するようなことをするのは良くないことだとは思いますから、当分は釣りには行けないと覚悟を決めて、今はいつか見た川原の青空を懐かしみながら、なるようになるさと家で微睡んでいる日々です。